12月27日、金曜日。
棋王戦の挑戦者決定戦第2局は本田奎四段が快勝。挑戦権獲得とともに、五段昇段を果たした。勝ちながら強くなっていく姿は実に頼もしい。
一方その頃、受けて立つ渡辺明三冠は軽井沢でカーリングを楽しんでいた。しっかり勝って、しっかり遊ぶ。後者は誰にでも出来るのだが、前者が非常に難しい。わかっちゃいるけど真似できない。
なお、この挑決第2局の新聞観戦記は私が担当させていただいた。棋王戦の観戦記は全国の地方新聞20社に掲載されるので、加盟社のお近くに住む方はぜひ新聞をチェックしてみてください。詳しくは日本将棋連盟サイトの棋王戦ページ(https://www.shogi.or.jp/match/kiou/)にて。
【王将の冬休み⛄】
— スポニチ文化社会部 (@sponichibunsha) December 28, 2019
氷上のチェスことカーリングにどっぷりハマっている渡辺明王将。スキップ王将は、初挑戦の戸辺誠七段に的確に指示を出していました🥌
もちろんモグモグタイムも📸#そだねー #第69期大阪王将杯王将戦 #まもなく開幕 pic.twitter.com/v4u3mNby5p
12月29日、日曜日。
NHKのEテレで「将棋の日in甲府」が放映された。これは11月に収録されたものだそうで、きっと読者のなかにも現地で楽しまれた方がいらっしゃることと思う。
文春オンラインでも相崎修司さんがイベントをレポート(https://bunshun.jp/articles/-/16221)していたが、放映日の都合で対局については触れられていなかったので、合わせて読んだら2倍楽しめるかもしれない。
さて、第1部の企画は「10秒将棋勝ち抜き戦」。戸辺誠七段、中村太地七段、藤井聡太七段による勝ち抜き戦である。
解説もそれぞれ、聞き手もそれぞれ棋風がある
最初の中村-藤井戦の解説は、佐藤和俊七段が務めた。ふだんから口数があまり多くないタイプであるが、この日は実に積極的に話していた。きっと聞き手のカロリーナ・ステチェンスカ女流1級が困らないように頑張ったのだと思う。クールでありながら、うまくリードをするダンディな和俊さんであった。
ポーランド出身のカロリーナさんは将棋のプロを目指して日本に来て、山梨県に住みながら修行に励んだ。もともと日本の文化が好きであり山梨学院大学に通っていたこともあって、日本語もまったく問題なく話している。そんななかでも駒の名前、「カク」や「ヒシャ」といったあたりは独特なイントネーションがあり、それがキュートなアクセントになっていた。
将棋は角換わりで藤井さんが快勝。強い。
2戦目は戸辺-藤井戦で、解説は飯島栄治七段、聞き手は山田久美女流四段。こちらは飯島さんのソフトかつときに自虐的な語りを、久美姉さんがキビキビとしつつも優しくリードするかたち。これはこれで収まりがよく、とても見やすかった。解説もそれぞれ、聞き手もそれぞれ棋風があるのである。
将棋は藤井さんが戸辺さんの振り飛車をきっちり負かして優勝。強いね、本当に。