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連載テレビ健康診断

M-1とフィギュアの裏で「競艇」を観たら大山千広選手がよかった話――青木るえか「テレビ健康診断」

『BOAT RACEライブ SG第34回グランプリ』(サンテレビ他)

2020/01/12

 ツイッターのタイムラインがM-1グランプリと全日本フィギュア選手権で埋まってる時間に私は競艇を見てました。『SG第34回グランプリ』。日曜夜7時から2時間。超人気であろう番組と真正面からぶつかる。U局とはいえ、すごい攻めてるな競艇。

 パッと見は微妙なものである。司会は武田修宏、ゲストに井上和香と田中圭と坂上忍。井上和香で視聴者が食いつくとも思えないので、これは「艇タレ」級の競艇マニアだったりするかと思ったらぜんぜんそんなことはなかった。競馬でも競輪でも競艇でも「初めて見ましたが迫力ありますね!」というゲストほどファンに忌み嫌われるものはないのに、なぜ井上和香。

 田中圭は競艇のCMに出てたからしょうがなかったんだろう(田中側が)。坂上忍は去年もグランプリ中継に出てるのでクロウト枠で、放送途中から「まるで休みに舟券買いにいくオヤジ」そのもののスタイルで登場して、これはスタイリストがいたのかそれとも素でこれなのか。顔色も何か酒焼けみたいな渋紙色になっていてバイキングの時はあんな顔色じゃないからやっぱりメイクなんだろうか。まあ、とても番組には合ってました。

番組に登場した大山千広選手 ©共同通信社

 豪華ゲスト(……)はいいとしても、2時間も何をやるのかと見ていると「競艇グランプリ」と「競艇グランプリシリーズ」という別のレースとは思えないのに実はまったく別のレースの優勝戦2つをじっくり、出走メンバーのコメントつきで生中継していて、しかしこのグランプリとグランプリシリーズがどう違うのかどっちが偉いのかの説明がないから初めて見た人は「競艇の有馬記念みたいなもん? 決勝と順位決定戦?」とか思うに違いなく、他人事ながらハラハラしてしまった。これはシリーズ無しでグランプリだけの中継で1時間でよかったんでは。「ゴールデンタイム放映で新たなファンを獲得」という部分は井上和香と田中圭だけで、あとははんぱに競艇ファン向け放送。まあ見てるのファンぐらいだろうしいいのか。

大山千広選手 

 しかしこの番組中、女子でいちばん賞金稼いでる選手・大山千広のインタビューが2回にわたって挟み込まれていた。聞き手は競艇アンバサダー、元「艇王」植木通彦。実にファンにしか需要のないインタビューだったが、この千広ちゃん、しゃべり方から内容に至るまで、思わず見入るほど頭良さそうな(そしてインタビュー映像よりレース映像の方がずっと可愛い)子だったので、千広ちゃんを知ることができてよかったー! と満足した、けどそんな視聴者は少数ではなかろうか。日曜ゴールデンタイム2時間にそれでよかったんだろうかという気持ちは消えない。いや、余計なお世話です。

『BOAT RACEライブ SG第34回グランプリ』​
サンテレビ他 2019年12/22(日)放送
https://sun-tv.co.jp/special/boatrace

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