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日本人ならではの「3」という選択肢

 翻って、この手のグループ労務調査などを手掛けている人たちが、「お前の職場環境どやねん」「お前、経営者に大事にされてると思うんか」「お前の会社のビジョンはお前を働きやすくさせとるか」なんて質問を世界同時に展開すると日本人は「まあ、ぼちぼちでんな」とみんな"3"をつけてくるわけなんですよ。日本人の「まあ、いいんじゃね」はだいたい"3"。「こんなもんですよ。まあ満足です」が"3"。一方、失業保険もない、期間が終わったらサヨナラで暮らしているブラジルとかスペインの労働者なんて「お、いま食えてる! マジ楽しく食えてるわ」で"5"。もうね、仕事とか社会とか人間関係などなどに対する考え方が根底から違うわけですよ。

 で、それは日本が良いとか悪いとか、海外が素晴らしいとか何だとかって論評するほうがおかしい。ついでに言えば、「お前らの仕事楽しい?」「おーー!!! 満点満点!!」とか回答する割合ってのは、日本に多いわけねえだろという当たり前の事実も、経済新聞社の記事書いてる人は分からないのかってことになります。

 リテラシーってのはそういうことなんですよね。

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 記事見て、「おっ、日本人の『やる気のない社員は70%』か。こりゃ亡国ですな、わっはっは」とか真に受ける馬鹿もいっぱいいたってことです。「無気力な社員」と「やる気のない社員」の合計が94%って、そんな訳ねえだろ。

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根拠のない明るさよりも、前向きで明るい「間」がほしい

 でも、それって日本の大新聞たる某経済新聞のラベルの下に、アメリカの世論調査会社の発表によると、とか書かれたら「ははーっ」ってなるのが日本的な同調圧力ってやつなんじゃないかとも思うんですよ。明らかに間違っている情報で、クソの詰まった袋に「味噌」ってラベルが貼ってあったら、ありがたくお湯で溶いて飲んじゃう的な。

 かくいう私だって、専門分野ではない情報に接すると馬鹿丸出しになるわけです。この前だって「おっ、子供の身長伸ばすにはカルシウムの錠剤がいいのか」と買って帰ったら、家内から「カルシウムだけ摂取しても吸収されないし、悪影響なのよ」と諭されてがっくりしたりするわけです。よくも騙しやがったな健康食品会社。一刻も早く倒産しろ。

 やっぱり人間というものは、すべての分野において賢いとか偉いということなどまずないわけです。知らない分野は当然無知だし、馬鹿だし、変な判断をしてしまうものです。分からない分野だからこそ、ほかの人の意見を聞き、流され、変なことをして恥をかくよりは、と同調圧力に屈してみんなで残業すれば怖くないとかやってて、アメリカ人から「お前の仕事は楽しい?」とか聞かれて"3"に丸をするわけなんですよ。

 そういう意味で、日本人も「大将、今日は体調どうですか」って聞かれたら「おう!! バッチリよ!」みたいな根拠のない太鼓判を日々捺せる社会環境にしていくと、世の中が明るくなって毎日がプレミアムフライデーで財布の紐も緩んで経済成長で貯蓄が無くなって生活保護を受ける老人になる奴続出になるんじゃないかと思います。

 日本に前向きで明るい「間」ができるようになると、みんなハッピーなんじゃないですかねえ。

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