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2020/01/30

 これは海外への渡航目的、個人の価値観などが影響する。一律に決めることはできない。現在、私が何らかの理由で海外に行かねばならないとすれば、それを上回るだけのリスクはないと判断している。

 私にとって、このウイルスとの付き合い方はインフルエンザと同じだ。毎年インフルエンザで多くの人が亡くなっている。米国CDC(疾病予防管理センター)の研究者たちは、「超過死亡」という概念を用いて、世界での年間の死亡者を29万~65万人と推定している。

 日本では、山梨県立大学の高橋美保子氏が、1993、97、2000、03年の死亡数を年間2万1000人~2万5000人程度と推定している。死亡の大部分は高齢者だ。

 読者の皆さんは、インフルエンザが流行しているからといって、海外旅行を控えないだろう。

 もちろん、ワクチンが存在するインフルエンザと新型コロナウイルスは同列に論じることはできない。現在、米ギリアド・サイエンシズ社など3社がワクチン開発に名乗りを挙げている。流行が終息しなければ、日本にも導入されるはずだ。心配な人はそれまで待てばいい。

武漢から到着した中国人客の体温をサーモグラフィーでチェック(1月23日撮影)。成田空港の検疫所は水際での対策を強化しているが…… ©AFLO

■誤解(4)「ディズニーランドなど人が多い所には行かない方が良い?」

 私は問題ないと考える。なぜなら、ディズニーランドに行くのをやめたくらいで、感染を予防できないからだ。

 都市部に住む読者は、通勤・通学ラッシュを経験されているだろう。通勤・通学ラッシュが、毎年の季節性インフルエンザの流行に大きな影響を与えていることは医学界では常識である。

 だからといって、通勤や通学を止めることはできない。日本社会で生きていく以上、新型コロナウイルスの感染のリスクはゼロにはできないのだ。

 毎日の通勤・通学と比べれば、休日にディズニーランドに行くことのリスクは取るに足らない。楽しみにしているディズニーランドに行くのをやめる必要はない。

テーマパークなど人の多い場所はリスクとベネフィットを考慮して行くべきだという(写真は本文と直接関係ありません) ©iStock.com

■誤解(5)「発熱して、喉が痛い……すぐに病院で検査してもらうべき?」

 この問題は難しい。公衆衛生学的な見地から言えば、病院に来ずに、家でじっとしておいて欲しい。