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ヤング まあ、我々がパチンコ始めた頃は、すでにそういう業界にはなっとったけどね。フィーバー機に規制が入って1300発機(*21)になったくらいから出入りしてるから。でもあの頃は、今ほどには嫌われてなかったよね。

*21 1300発機
フィーバー登場→過熱して規制→デジパチの設置比率30%→さらに規制→アタッカーの継続回数が10ラウンドまで→もっと規制→アタッカー開放が30秒から15秒へ→さらにもっと規制→アタッカー内の10カウント規制。85年当時は最大賞球が13個だったため10カウント×10ラウンドで最大1300個の払い出しとなり、この規制を受けて1300発機と呼ばれた

なぜパチンコは嫌われるのか

大崎 ネットがそれを増長させたってのは間違いないとこだよね。

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ヤング 匿名、自分の肉体を伴わないのをいいことに、悪意が無造作にだだ漏れる……。

大崎 ヒソヒソ話限定だったんだけど、ネットによって悪意が可視化されるようになってきて、予備知識のない人が、まずその悪い情報から目にしたおかげで、一種のフィルターがかかってしまった。で、同時に換金問題も警察との癒着の産物だ、みたいな言説が作り上げられ、パチンコは無条件で悪いもの、陰謀の巣窟だ、みたいな意識で固まっちゃって。

インターネットの発達とともに悪意が無造作に広がった ©iStock.com

ヤング 全部が嘘ではないけれども、一種の思考停止だよね。でもパチンコ業界側も、どっかのタイミングで違いますよ!っていうステートメントを出さなかったことも大きい。

大崎 火の小さいうちに手を打っておけばこんな状況になってなかったかもしれない。でもヘタに反論して藪蛇になることはビジネス面においては得策ではなかったわけだから。得意の先送りでいろいろ言われても金が儲かってるうちは、騒ぐのをやめておこうみたいな感じでね。その戦略はついこの前までは間違っていなかったと思うんだ。

ヤング ついこの前まではね。

大崎 それがいつの間にか取り返しのつかないことになってしまって。このままではマズい……って気がついたときには火が大きくなりすぎて、今さらだけどどうしようって慌ててるように見えて仕方がない。だから調子よく儲かりすぎたんですよ、ここ30年。やっぱりCR機以降の伸びがね、すごかったからね。

不景気に強いがゆえに悪目立ち

ヤング パチンコの見られ方が変わったよね。

大崎 相対的なパチンコのポジションが勝手に上がっちゃったというか、世間はバブルが崩壊して不景気地獄の真っ最中なのに、パチンコ屋だけはガンガン儲かって、さらに巨大化していったわけで。

ヤング 不景気知らずだったからね。むしろ世間一般でのバブル崩壊以降が、パチンコ業界にとってのバブル到来(*22)だから。

*22 バブル到来
バブル崩壊後もパチンコ業界は下火になることがなかったため「不景気に強い産業」などと呼ばれた時代もあったが、03~04年をピークに売上・遊技参加人口ともに年々減少している。平成の中期までは、パチンコ業界もバブルだったと言っていいだろう