「『死の棘』を読んだことがある人は、今回の松居一代さんを見て、ミホのことを思い出したに違いない」

 文春今週号の林真理子連載コラム「夜ふけのなわとび」の一節である。「死の棘」とは島尾敏雄の小説で、妻のミホが夫の日記を見たことから浮気の証拠をつかんで狂乱し、夫を責めたてることから物語は始まる。

 松居一代もまた、夫・船越英一郎のスケジュール帳やノートから浮気を確信して、憎悪に突き動かされるかのように、YouTubeなどでそれを訴えている。見事なシンクロ具合だ。

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長門裕之通夜での松居一代、船越英一郎 ©山田真実/文藝春秋

政界でも起きている「長年のパートナーの仲たがい」

 長年のパートナーの仲たがい。そんな事態が政界でも起きている。自民党と公明党の不和である。

「ざまあみろだな」。今週の特集記事「自民党内、地方、公明から同時多発で噴出 安倍にNO!」によれば、自民党が喫した都議選での歴史的大敗をうけて、創価学会幹部はこう言い放ったという。(創価学会広報室はそのような事実はないと発言を否定) 

 これは公明党が都民ファーストと都議選で選挙協力をすることを受けての、安倍首相の「公明党抜きで勝利するいい機会だ」発言への意趣返しと言える。

 この二党の関係は松居・船越の夫婦関係よりも長い。その最初期を形づくったのは野中広務だと言って間違いあるまい。