「スマホは勉強に悪影響だ」――ひと昔前、いや今でもそう信じている人は多いはず。しかし、今や受験生の95%がスマホを駆使して勉強に励んでいるのが実態だ。スマホ勉強はこれまでの経済格差や地域格差を解消しつつある。『東大式スマホ勉強術』著者である西岡壱誠さんに聞いた。
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世帯年収300万円、週3でバイトをしながら東大に合格
東京大学が発行した「2010年学生生活実態調査の結果」(2011年12月発行)によると、世帯年収950万円以上の家庭が51.8%。厚生労働省発表では世帯平均年収は約500万円なので、東大生は裕福な家庭出身の場合が多いと言えます。
しかしそんな東大にも、決して裕福とは言えない家庭から合格する学生もいます。
今日は、世帯年収300万円のご家庭出身で、週3でバイトをしながら東大に合格した東京大学3年生の布施川天馬さんにお話を伺いました。
彼はどのようにして東大に入ったのでしょうか? そこには、時間もお金も節約する非常に効率的な勉強法がありました。
両親2人が、実家の事業失敗で夜逃げを経験
「僕の両親は、2人とも家が事業に失敗して夜逃げを経験しているんですよ」
と布施川さんはまず、ご家庭のことを教えてくれました。
「母親は中2のときに夜逃げしたので中卒、父親は大学3年のときに夜逃げしたので、卒業のためにバイトをしなければならず、就活ができなかったんです。だから父親は足立区で自営業を営む祖父の店で働き、母親はポスティングをしながら僕を育ててくれました。
正月に雪の降る中、ポスティングをしていたら僕が『ママ、もう帰りたいよ』と泣き出してしまって……、それで母親と二人で泣きながらポスティングしたのを覚えています」
当時は子供を預けられるような場所もなかったので、布施川さんは幼少期から母の仕事に連れられながら育ったのだそうです。