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平均最低気温-16度、人間よりホッキョクグマが多い地で「世界最北の寿司」を食べてみた

2020/03/13

 北極といえば探検家だけが到達できる過酷な世界といったイメージを抱きがちだが、それは遠い昔の話。

 LCC(格安航空会社)でお安くお手軽に行ける観光地化した北極の町がある。ノルウェー領スヴァールバル諸島の小さな町、ロングイェールビーンだ。そこには世界最北の寿司屋があるらしい。実際に確かめるべく北極に行ってきた。

一般の人が飛行機で行ける世界最北の町ロングイェールビーン

北極の定義とは?

 南極と違って北極には大陸がなく、地図を見てもどこからどこまでが北極なのかが分かりにくい。一般的に北極の定義は2つあり、1つは「北緯66度33分以北の地域」、もう1つは「7月の平均気温が10度未満の地域」である。後者は地球温暖化により年々縮小している。

 北極に含まれる国は、アメリカ(アラスカ)、カナダ、デンマーク(グリーンランド)、アイスランド、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、ロシアの8ヶ国。一般人が定期航空便で行ける北極最北の地は、北緯78度13分に位置するスヴァールバル諸島のロングイェールビーン。クルーズ船ツアーであれば北極点まで行くこともできるが、代金は最安でも300万円台となる。

「北緯66度33分以北」、もしくは「7月平均気温が10度未満の等温線より北」を北極と呼ぶ。

ロングイェールビーンの行き方

 北極の町ロングイェールビーンへは、ノルウェーのオスロとトロムソから定期フライトが運航されている。航空会社はスカンジナビア航空とノルウェー・エアシャトル(LCC)の2社。オスロからは3時間、トロムソからは1時間40分の距離だ。日本から行くのであれば便数が多いオスロでの乗り換えが便利。

 スヴァールバル諸島はノルウェー国内ではあるがシェンゲン圏対象外のため、フライトは国際線扱いとなり出国手続きを行う。ところがスヴァールバル諸島到着時に入国審査はない。日本はスヴァールバル条約加盟国であり日本人は査証無しで入島できる。つまりパスポート上ではどこの国にも滞在していない空白の期間ができる。

 オーストラリアや韓国など自動化ゲート導入によりスタンプを押さない入国審査もあるが、スヴァ―ルバル諸島のような特殊な事情でスタンプを押さない入国審査はほとんどない。思い当たるのは北朝鮮くらいだろうか。

オスロ空港では、国内線に乗るはずが国際線用のゲートを通過し出国審査の手続きをすることになる。

 スヴァールバル諸島は10月下旬から2月中旬まで24時間太陽が昇らない極夜となる。ロングイェールビーン空港に到着したのは1月初旬の13時。空が真っ暗でまるで真夜中のようだ。少し緯度が低いノルウェー本土ではここまで暗くならない。