北極といえば探検家だけが到達できる過酷な世界といったイメージを抱きがちだが、それは遠い昔の話。
LCC(格安航空会社)でお安くお手軽に行ける観光地化した北極の町がある。ノルウェー領スヴァールバル諸島の小さな町、ロングイェールビーンだ。そこには世界最北の寿司屋があるらしい。実際に確かめるべく北極に行ってきた。
北極の定義とは?
南極と違って北極には大陸がなく、地図を見てもどこからどこまでが北極なのかが分かりにくい。一般的に北極の定義は2つあり、1つは「北緯66度33分以北の地域」、もう1つは「7月の平均気温が10度未満の地域」である。後者は地球温暖化により年々縮小している。
北極に含まれる国は、アメリカ(アラスカ)、カナダ、デンマーク(グリーンランド)、アイスランド、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、ロシアの8ヶ国。一般人が定期航空便で行ける北極最北の地は、北緯78度13分に位置するスヴァールバル諸島のロングイェールビーン。クルーズ船ツアーであれば北極点まで行くこともできるが、代金は最安でも300万円台となる。
ロングイェールビーンの行き方
北極の町ロングイェールビーンへは、ノルウェーのオスロとトロムソから定期フライトが運航されている。航空会社はスカンジナビア航空とノルウェー・エアシャトル(LCC)の2社。オスロからは3時間、トロムソからは1時間40分の距離だ。日本から行くのであれば便数が多いオスロでの乗り換えが便利。
スヴァールバル諸島はノルウェー国内ではあるがシェンゲン圏対象外のため、フライトは国際線扱いとなり出国手続きを行う。ところがスヴァールバル諸島到着時に入国審査はない。日本はスヴァールバル条約加盟国であり日本人は査証無しで入島できる。つまりパスポート上ではどこの国にも滞在していない空白の期間ができる。
オーストラリアや韓国など自動化ゲート導入によりスタンプを押さ
スヴァールバル諸島は10月下旬から2月中旬まで24時間太陽が昇らない極夜となる。ロングイェールビーン空港に到着したのは1月初旬の13時。空が真っ暗でまるで真夜中のようだ。少し緯度が低いノルウェー本土ではここまで暗くならない。