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「今回ちょっと、力が入っているんじゃないですか」三谷幸喜と香取慎吾が語った「喜劇」の舞台裏

「今回ちょっと、力が入っているんじゃないですか」三谷幸喜と香取慎吾が語った「喜劇」の舞台裏

『誰かが、見ている』撮影現場レポート

note

「(意見は)ゼロですけど、言われたことは100で返す」(香取)

 そして冒頭で紹介したやりとりに。

――香取さんが意見して変わった場面はありますか?

香取 僕は意見しないですね。

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三谷 逆に僕がお願いしたことには、まず「それはできない」とか「無理」とかおっしゃらない人なので、すべてやってくれる。あんまりご自分からこうしたいとか、ゼロなんですよ。

 

香取 ゼロですけど、言われたことは100で返す(笑)。(午前中に2回の通しリハーサルを見た記者たちに向かって)皆さんも2回見てくださったと思うんですけど、1回目プリン食べてなかったじゃない? 2回目急に……。

三谷 プリンが好きっていうキャラなんですよ。1回目をやった後に食べてもらおうと思ったんですけど、言うのを忘れてしまって、2回目が始まってから思い出して。普通、舞台上の俳優さんに演技が始まってから何かをお願いすることはありえないし、役に入って集中している方には指示しても伝わらない。でも、香取さんとは付き合いが長いし、きっと彼だったらわかってくれると賭けに出たんです。ちゃんとわかって(プリンを食べて)くださいました。

香取 (本番中に)振り返ったらプリンがあった。リハーサルだけど、本番の気持ちでいるので「え?」とは言えないじゃない。

三谷 できないですよ、普通。