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「今回ちょっと、力が入っているんじゃないですか」三谷幸喜と香取慎吾が語った「喜劇」の舞台裏

「今回ちょっと、力が入っているんじゃないですか」三谷幸喜と香取慎吾が語った「喜劇」の舞台裏

『誰かが、見ている』撮影現場レポート

 フジテレビ系『古畑任三郎 VS SMAP』(1999)で出会った2人は、フジテレビ系『合い言葉は勇気』(2000)を経て、2002年10月~03年3月の半年間にわたって、フジテレビ系『HR』でシットコムに挑戦した。翌年、三谷は、初めてNHK大河ドラマの脚本を担当した『新選組!』(2004)でも主人公の近藤勇に香取を起用。その後も舞台『TALK LIKE SINGING』(2009、2010)、舞台『burst!~危険なふたり』(2015)、映画『ギャラクシー街道』(2015)、舞台『日本の歴史』(2018)など数多くの三谷作品の主役が香取に託されてきたが、初顔合わせから20年を経て、三谷が“今の香取”のために書き下ろしたいと思ったのは再びシットコムだった。

 初回収録を終えた三谷は、こう語っている。

「『日本の歴史』を終えた時、(香取さんに)『次は何をやるんでしたっけ?』と聞かれ『シットコムです!』と答えた。その時の香取さんの嬉しそうな顔が印象的でした。シットコムは俳優としての柔軟性も含め香取さんにぴったりだなと思います」

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「ゆるキャラと一緒にいるような気分」(三谷)

 取材当日は、朝10時からのリハーサル後、午後からの観客を入れて収録する本番の前に、三谷と香取の合同インタビューが行われた。

 現時点ではストーリーの詳細は明かせないが、今回の香取は、三谷曰く「なかなか社会と適合できないタイプの役」だという。

三谷 今まで僕の作品では“周りに振り回される香取慎吾”が多かったですが、今回は香取さんの方がみんなを振り回していくパターン。わりとリアルではない世界の香取慎吾をやってもらいたいなと思って。こういうコスチュームもいろいろ試行錯誤して。今も一緒に写真を撮られる中で、ゆるキャラと一緒にいるような気分になりました。

――演じてみていかがでしたか?

香取 三谷さんの作品の場合、これまでは周りにいろんなことが起きて、振り回されるという形がほとんど。今回は、自分自身に一番問題が起きる人間。しかも話の中心にいるというのは初めてなので、最初はちょっと難しかったです。

三谷 難しかったんですか? 悩んだ感じは伝わってこなかったんですけど……。