「漢字力」で国語のベースを養う
次は国語です。国語というのは、語彙力がないと文章がそもそも読み解けません。「交易」という言葉を知らないのに世界史で貿易の勉強をしてもわかるわけがありません。まずは語彙力を高めないと成績は上がらないのです。僕自身もはじめ、そこで躓いたことをよく覚えています。
しかし、語彙力を高めるための勉強というのは、結構難しいですよね。大人でも苦戦する人がいるくらいですし、語彙力を単純に上げるためには暗記が必要ですが、正直あまり楽しいものではありません。
そこで僕がやっていたことは、漢字の勉強です。実は、ある程度の漢字の知識があれば、難しい語彙であっても、なんとなくその意味が理解できるものです。たとえば、とても簡単な例ではありますが、「交易」という言葉を知らなくても、「交」という漢字は「交流」とか「交際」という言葉で使いますよね? そこから、何かを交換するみたいな意味を類推することができます。熟語は、複数の漢字が組み合わさってできたものですから、その漢字を知っていればなんとなく意味が予想できる。あるいは、一つの漢字から複数の熟語の知識をリンクさせることができる。つまり、語彙力がある人というのは、「漢字力」が身についている人と言っていいのではないかと僕は思います。
灘中学高等学校の中学入試の問題にも
東大合格者が毎年70~90人ほどいる灘中学高等学校の中学入試の問題でも、実は、この「漢字力」を問う問題が出題されています。
このように、漢字を四方におき、真ん中に当てはまる漢字を答えさせるという問題です。これは、一つの言葉を覚えるだけではなく、その漢字がどのような言葉とつながって熟語になっているのかを知らなければなりません。小学生のうちからこうした能力が身についている学生が、東大に合格しやすいのは間違いないと思います。