『週刊文春』3月26日号に掲載された大阪日日新聞記者の相澤冬樹氏のスクープ記事が轟々たる反響を巻き起こしている。あらためてクローズアップされた森友問題に関する発言をおさらいしたい。
赤木俊夫さん 近畿財務局職員
「財務省が国会等で真実に反する虚偽の答弁を貫いている」
「元は、すべて、佐川理財局長の指示です」
『週刊文春』3月26日号
自殺当日まで書いていたと見られる手記
学校法人「森友学園」の国有地売却問題に関する公文書改ざんを指示され、2018年3月7日に自殺した財務省近畿財務局職員の赤木俊夫さん(当時54歳)の「手記」が公開された。
安倍昭恵首相夫人が関与する小学校への国有地格安払い下げにまつわる、財務省の公文書改ざん事件。赤木さんは自殺当日まで書いていたとみられる手記の中で、「元は、すべて、佐川理財局長の指示です」「佐川理財局長の指示を受けた、財務本省理財局幹部、杉田補佐が過剰に修正箇所を決め、杉田氏の修正した文書を近畿局で差し替えしました」などと、公文書改ざんを行った当時の財務省、および近畿財務局の幹部らの言動について実名で詳細に明かし、強く批判している。
すぐさま「再調査するつもりはない」と反応
赤木さんの死後、麻生太郎財務相をはじめとする財務省、近畿財務局の幹部らの対応に不信感を持った赤木さんの妻は、国と佐川宣寿・元国税庁長官に損害賠償を求める訴えを大阪地裁に起こした。しかし、麻生財務相、安倍晋三首相の反応はというと……。
麻生太郎 副総理兼財務相
「手記にもとづいて新たな事実が判明したとは考えられないので、再調査するつもりはない」
日テレNEWS24 3月19日
麻生財務相は、『週刊文春』が発売された翌19日、閣議後の記者会見でいち早く再調査を否定した。その根拠は「手記と調査報告書の内容に大きな乖離があるであろうとは考えておりません」というものだった。
では、本当に両者には乖離がなく、手記には「新たな事実」がないのだろうか。