「東京カリ~番長」あらため「カレースター」水野仁輔さんと、「音楽界のカレー王」ホフディランの小宮山雄飛さん。『いちばんおいしい家カレーをつくる』(水野さん)、『簡単! ヘルシー! まいにちカレー』(小宮山さん)と、それぞれ力のこもったカレー本を書き上げたふたりが、カレー遍歴から現在の注目店まで語り尽くした、すみからすみまでカレーの話第2回!(#1より続く)
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「究極の一皿」を求める人、求めない人
水野 小宮山君、『まいにちカレー』のなかでトータス松本さんと対談してたでしょ。あの記事を読むと、トータスさんは「自分のこの一皿」を突き詰めて作りたいって言ってるじゃない。その方向で言うとどう? 「みんなが喜んでくれるカレーだったらリクエストに応じてなんでも出すよ」ってタイプか、「みんなが喜ぼうが喜ぶまいが、俺の中で最高だと思うカレーを追求するだけだ」ってタイプか。
小宮山 僕、純粋に人に何かを作りたいだけなんですよ。曲もそうなんですけど、人に何かを作って喜ばせたり、びっくりさせたりしたい。だからカレーも、どちらかというと「おいしいです」じゃなくて、「エッ、これ、あの材料で作ったの?」みたいなリアクションの方がうれしい。
水野 そこは僕も同じですね。
小宮山 水野君は数年前に、食べ歩きはやめたでしょう?
水野 そうそう、もう5~6年前からやめた。
小宮山 僕はそれもすごいなと思って。でも、最近ちょっと分かる。
水野 「究極の一皿」を求めてる人は食べ歩く。でも、僕は一番のカレーが多分ないんで。
小宮山 僕もないですね。
水野 自分で作ってても、これはこれでいいと思うし、食べ歩いても、これはこれでうまいよね、と思うし、「自分にとっての一番」がないわけですよ。