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特集観る将棋、読む将棋

2020/04/04

現実味を帯びる最年少タイトル挑戦

――最年少タイトル挑戦が現実味を帯びてきて、控え室にいた師匠の杉本昌隆八段もソワソワされていたとか。

深浦 自分も控え室にいたんですよ。藤井くんが勝勢のとき、杉本さんに「これから忙しくなりますよ」って言っちゃいまして(笑)。杉本さんもニコニコしてたんですが、そのあとに頓死という……。

――どういった感じでした?

深浦 それは、めちゃくちゃ落ち込んでおられました。

遠山 渡辺さんとの番勝負も見たかったですね。

観る将的に名局賞を選ぶと?

――さて、いろいろな対局を振り返りましたが、ご自身が観る将だとすれば、どれを名局賞に選びますか?

遠山 そうですね。観る将的には、その対局の映像があったとか、解説があったとかにも左右されますね。そういう意味では、深浦さんと藤森さん(哲也五段)の解説も面白かった藤井聡太・佐々木大地戦ですかね。

――深浦先生はいかがですか?

深浦 そうですねぇ。今まで名前が挙がらなかった方でいえば、西山朋佳さん(女流三冠)の活躍には触れておきたいですね。女流三冠になられて、三段リーグでもあと一歩まで迫られましたから。

 

遠山 三段リーグを14勝4敗で上がれなかったのは、ついてなかったですよね。あれは辛いですねぇ。

深浦 最終日は、だいたいいろいろ変動があって、対象者がみんな負けるなんてこともあるんですよ。たしかについてなかった。

最年長で初タイトル挑戦、木村新王位の誕生

――さて、たくさんの推薦が集まりました。

深浦 全体を通してみれば、やはり木村さんの印象は強いですね。このアンケートを見ても、改めてファンの方のそういった思いが強かったことを感じます。あとは竜王戦ですか。ただちょっと玄人好みだったかな。

――そういう意味では、木村先生が最年長で初タイトルに挑むというのは、誰にとってもわかりやすく楽しかったですね。

深浦 そうそう(笑)。

遠山 チャンスの重みが違うという意味で、ストーリーがわかりやすいですよね。

――じゃあ、名局賞は?

深浦 これだけファンからも支持されているわけですから、木村新王位が誕生した王位戦の第7局ではないでしょうか。

遠山 ファンのコメントの熱量もすごいですよね。これだけ熱くなってくれたら嬉しいですよ。

豊島将之王位と木村一基九段による王位戦第7局は、「史上最年長初タイトル」がかかっていたこともあり、社会的なニュースとなった ©山元茂樹/文藝春秋

受賞の言葉(木村一基王位):

 このたびは名局賞部門でご支持をいただきありがとうございました。

 最優秀解説者、またベストドレッサー賞も狙っていたところでありますが、対局が評価されたことは棋士冥利に尽きます。このご支持を糧にさらに精進を重ねたいと存じます。

 どうもありがとうございました。

写真=松本輝一/文藝春秋

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