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病弱だった体を食べ物で丈夫に

 90歳を超えても、とても元気なタミさん。しかし、幼少の頃は病弱だったという。

「わたしは生まれつき病弱で、肝臓やリウマチを患っていました。小学校の時には学校を一年間休んで療養。今こんなに長生きしているのを両親が知ったら驚くと思います。丈夫になれたのは、体が弱いことを自覚して養生してきたことが大きいと思います」

 健康のための日課は、毎朝梅干し入りの番茶を飲むこと。

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「昔から『朝の梅は難逃れ』といわれていて、朝の梅干しがわたしの健康のお守り薬。梅は血液をサラサラにして、殺菌や解毒作用などいろんな効能があって、体調を整えてくれます。風邪のひきかけには、古い梅干し。年数をかけて熟成した梅干しは、特に効果があるんです。火でよく焼いて、熱い番茶に入れて飲むと体の芯から温まって大汗が出て、治りが早い。この焼き梅干しは、せきや喉の痛みにも効くらしいです」

普段の食事は、お米とたっぷりの無農薬野菜に汁物

みらいおにぎり
母校の小学校で行った授業をもとに、食べることや夢を持つことの大切さ、自身の人生や料理に込めた思いを書き下ろした子供と一緒に読めるエッセイ。おいしいおにぎりの作り方も紹介。

 普段の食事は、お米とたっぷりの野菜と汁物が基本。

  「お肉よりもお魚が好きですね。牛肉と乳製品は一切食べません。日本人には動物性タンパク質を消化する酵素が少ない体質の人が多く、肉食が過多になると便秘になって血が濁りやすいんです」

 毎日のごはんは土鍋で炊く。

  「わたしは世界中でいろんなものを食べてきましたけど、日本のお米ほどおいしいものはないと思います。若い方たちが自炊を始めるときや、家庭料理を学び直したいときは、まず鍋で炊くごはんを身につけることをおすすめしています。小さいキッチンでも、土鍋や厚手鍋が1つあれば、米も1カップや2カップの少量から炊けます。失敗したって大丈夫。だいたい食べられますよ(笑)」

 料理の味付けの土台は、毎日用意しているお出汁。水に漬けておくだけの「水出汁」が基本だ。

「いりこと昆布を瓶の水に漬けておくだけ。800㏄の瓶に水を入れ、10センチ角の昆布1枚と15グラムほどのいりこを入れ、一晩で出汁が出ます。ひと手間ですが、臓物を除いて使うと臭みがまったく違いますよ。あっさりとした上品な旨味です」

 旬のものを食べることにもこだわる。

  「地元でとれた旬のものは、新鮮で栄養価も高く、運送費もかかりません。人の体は季節のものとつながっているんです」

 毎日たっぷり食べる旬の野菜は、大分に住む長男が作る無農薬野菜が中心だ。

「生命力を感じる野菜をいただき、体を整えています。春は、冬に溜まった老廃物を流すため、アクの強い野菜を適度に食べて解毒。夏は水分を補うためにキュウリやナスなどの野菜を食べて、たっぷり汗をかき、からだに溜まった重金属の毒出しを。秋になると夏に消耗した体力回復のため、そして冬場に風邪をひかないよう、秋野菜でエネルギーを蓄積します。そして冬は、厳しい寒さに耐えられるよう、体を温める根菜類や冬野菜を取り入れます。季節の食材を食べることは、わたしたちの体が次の季節を迎える準備をするために、とても大切なことなんですよ」