〈お弁当はワンパターンでいい〉。そう断言する著者は、数十冊の著書を持つ人気料理研究家であり、実際に子供のために15年間お弁当を作り続けた母でもある。使うのは標準的な卵焼き器ひとつ。まずブロッコリーなどの野菜を茹で、次に卵を焼き、器具はほぼ汚れていないので最後に肉や魚の主菜を作る。連続調理だから時短で作れ、洗い物も少ない。実践的ノウハウと豊富な作例が詰まった本だ。
「企画のきっかけは著者のブログでした。最近就職して、自分でお弁当を作るようになったお嬢様に対するお母さん目線からのアドバイスの中に、卵焼き器を使う方法がありました。それを読んで、既に何冊もお弁当の本を出されていますが、わかりやすい、初心者向けの本を書いていただいたら面白いと思ったんです」(担当編集者の小林弘美さん)
狙い通り料理初心者も手にとっているが、主な読者層は40代・50代の女性。子供や夫のお弁当に頭を悩ませる渦中にある人たちだ。
「お弁当づくりは、毎日内容を変えたいし、美味しさも、栄養バランスも追求したいし……とか、いろいろ考えると難しく感じられてしまう。そこを『ワンパターンでいい』といい切ってくれたことに、ホッとした人がすごくいたのかなと思います。これなら私でもできる、と。実際私も、この本がきっかけで、お弁当作りを始めました」(小林さん)
2020年2月発売。初版1万部。現在4刷10万部