2002年3月29日16時30分頃、福岡地検小倉支部は松永太(逮捕時40)と緒方純子(逮捕時40)を監禁致傷罪(逮捕・監禁致死傷罪)で起訴した。起訴状に書かれている公訴事実は以下の文面である。

罪名及び罰条「監禁致傷」

〈被告人両名は、広田清美(仮名)を監禁しようと企て、共謀の上、平成14年2月15日午前5時ころ、同女の手首をつかむなどして同女を北九州市小倉北区東篠崎所在の『東篠崎マンション』(仮名)90×号室に押し込んだ上、引き続き同所において、同女に対し、「あんたがお父さんを殺したやろ。」「今度逃げたら、お父さんのところに連れて行く。簡単なことなんぞ。」「逃げても探偵を使って探し出す。見付けたら打ち殺す。」などと申し向け、同女に命じて「生活養育費として被告人緒方から借用した2,000万円につき、毎月30万円以上を支払う。仮に逃走した場合には元金は4,000万円に増加する。」旨を白紙に書かせて署名・押印させ、そのころから同月19日にかけて、同所において、電気コードの電線に装着した金属製クリップを同女の腕等にガムテープで固定するなどし、差込プラグをコンセントに差し込んで同女の身体に通電させ、さらに、同女の上腕部等を数回にわたり足蹴にし、「血判状を書いてもらわないといけん。書かんのやったら電気を通す。」などと申し向け、同女をして自らその右手示指をカッターナイフで切らせ、その血で「もう二度と逃げたりしません。」などと白紙に書かせて署名させた上、「5分以内に爪を剥げ。剥げんやったら剥いでやる。あと1分しかないぞ。」などと申し向け、同女をして自らその右足親指の爪をラジオペンチで剥離させ、同女の首を洗濯紐で締め、その後も連日のように、同所において、上記同様の方法で同女の身体に通電させるなどし、よって、同年2月15日午前5時ころから同年3月6日午前6時ころまでの間、上記一連の暴行及び脅迫により、同女が同所から脱出することを著しく困難にして同女を不法に監禁し、その際、上記一連の暴行により、同女に対し、同日以降の加療に約1か月間を要する右側上腕部打撲傷皮下出血、頚部圧迫創及び右側第一趾爪甲部剥離創の傷害を負わせたものである。

 

 罪名及び罰条

 監禁致傷 刑法第221条、第220条、第60条〉

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 この起訴に続いて、同日17時30分から福岡地検小倉支部の会議室で、同地検小倉支部長による会見が開かれた。以下、そのやり取りを記者を「Q」、支部長を「A」として記しておく。なお、質疑応答は逮捕時には監禁・傷害容疑だったものが、監禁致傷罪での起訴となったことから、次の質問で始まっている。

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Q「逮捕容疑から罪名が変わった理由は?」