PTSDについては載せたくてもまだ載せられない状態
Q「現段階でもふたりは完黙なのでしょうか?」
A「申し上げられません」
Q「少女が重度のPTSD(心的外傷後ストレス障害)だということですが、今回、PTSDは監禁致傷に含めなかったのですか?」
A「PTSDはまだ正式な鑑定結果が出ていなかったのではないでしょうか。非常に新しい概念ですが、将来そうだとはっきりすれば、訴因変更で付け加えることは十分あり得る。載せたくてもまだ載せられない状態」
Q「もしPTSDだったとして、傷害罪として別罪を立てることはないですか?」
A「ここ(起訴状)に付け加えることになるのではないかと。私にもなんとも言えない」
Q「電気コードの先にクリップをつけたものは、いつ作ったものですか?」
A「わからない」
Q「少女を引き込んだときに既にあったものですか? どんな形のものなのですか?」
A「法廷には出てくるでしょうが、私自身は見ていません」
Q「(車の)バッテリー上がりのときに使うようなものですか?」
A「あんなにでかいものじゃないと思う」
最後に起訴をした時刻(16時30分頃)についての質問に答え、会見は終了した。
「被疑者両名は取調に対して黙秘」
なお、起訴を受けて弁護側は同日中にマスコミ各社に宛てた以下の文章を出している。
〈本日起訴されました監禁・傷害事件につき、被告人両名は先日の記者会見の内容の通り監禁・傷害の事実を引き続き否認し、捜査当局の取調に対しても黙秘しています。弁護団といたしましては、起訴状記載の内容を精査の上、今後の方針を慎重に検討していきたいと考えています。
また、被疑者両名は、報道されておりますその他の事実につきましても、取調に対して黙秘しております。このようなことから、弁護団としては、現段階でのコメントは差し控えさせて頂きたいと考えております。
なお、被疑者両名が事実関係につき黙秘することは憲法上も保障されたものであることをご理解いただき、少女等関係者らの一方的な供述に基づいた報道につきましては、より慎重を期されんことを切に希望いたします〉
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この凶悪事件をめぐる連載(一部公開終了した記事を含む)は、発覚の2日後から20年にわたって取材を続けてきたノンフィクションライターの小野一光氏による『完全ドキュメント 北九州監禁連続殺人事件』(文藝春秋)に収められています。