「普通の(オフライン)授業をしていても半分くらいの生徒が寝ていますから、オンライン授業はいわずもがな。ともかく、オンにしていれば授業を受けていることになるし、生徒の中には『他の生徒がどう勉強しているのかわからないから不安』や『討論できない』という声も上がっています。特に塾にいけない高3は危機感が強い」 (同前)
そうは言っても解決策はまだ見つからない。教師は、生徒とは電話でコミュニケーションをとるようにしていると話していた。
不安や不満の声が上がる中、新型コロナウイルス対策で事実上のコントロールタワーになっている疾病管理本部では、オフラインでの開校は「もっとも慎重な判断」と繰り返していた。5月初めに中・高の3年生からオフライン授業を始めるかどうかについて、状況を睨みながら発表するという報道があった。
学校側では、教室の机の間隔を開けて、ひとつひとつに小さなブースを設けたり、消毒用ジェルを入り口に置くなどの防疫準備が進められているという。
ソウルでの1番の変化
4月に入り、在宅勤務から通常勤務に切り替える企業が続々と増え、ソウル市中心部のオフィス街には人が増え始めた。ほとんどがマスク姿だが、中にはマスク無しの人もちらほら。地下鉄の駅やバス、飲食店や書店、エレベータの中など至る所に消毒用ジェルが置かれたままだ。
在宅勤務は快適だったという40代会社員はこんなことを言っていた。
「在宅勤務できる職場ではこの在宅勤務という働き方はどんどん浸透していくのではないでしょうか。問題はネットに慣れない50代以降の世代と、在宅勤務で処理できない部分をどう解消させていくかでしょう」
韓国政府は24日、日常を取り戻すまでの今後2年間のガイドラインを発表した。内容は職場や公共の交通機関、レストラン、ショッピング、スポーツ分野での行動についてで、手洗い、マスク着用、消毒、人との距離の確保や定期的な検温などの基本ルールにビデオ会議、在宅勤務の推奨などが盛り込まれていた。
ニューノーマルな社会はどこまで広がりを見せるのか。
韓国で、というか、ソウルで今のところもっとも変わったなあと感じるのは、空気が澄んだことだ。例年よりぐんとPM2.5の被害が減っている。