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【緊急検証】「9月入学」はコロナ禍にある子どもを救うのか 子どもと学校と日本社会への影響をシミュレーションする

「9月入学、今が最大のチャンスだ」
「この4カ月でオンラインの教育環境を一気に整備すべきだ」
という声が、政治や評論家から聞こえてくる。

しかし、これだけ問題を抱えた教育現場に、これ以上の負担となる9月入学を強いるのが、果たしていまやることだろうか。いま社会が最優先でやるべきなのは、子どもの学力保障と心のケアであり、目指すべきは一日も早い学校再開のための感染対策だろう。

9月入学のメリットをシミュレーションする

では、もし今年、9月入学になった場合何が起こるのかをシミュレーションする。

まず9月入学の前提は、全国的な感染拡大で学校再開のめどが夏まで立たないことだ。その場合9月入学のメリットは、次の3つだ。

1)子どもの健康と安全を守る。
2)休校による教育課程の遅れをリセットできる。入試への準備期間が確保される。
3)外国の学事暦と同じとなるため、海外へ(から)留学しやすくなり、教育のグローバル化、日本の国際化が進展する。

1番目は、安全を最優先したもので、緊急避難的な対応として考えられる。
2番目は、今年度受験を控えている学年の子どもや保護者、教育関係者にとっては望むところだろう。いま多くの学習塾や予備校も休業しており、年明けすぐの入試に不安を抱えている家庭や児童生徒も多いはずだ。
3番目は、日本をグローバルスタンダードに合わす絶好の機会だという話だ。現在諸外国では、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、中国、ロシアは、基本的に9月入学だ。だからこれらの国の大学に志願すると、ギャップイヤーと言われる空白期間がどうしても生まれるが、これを解消できる。また海外からの学生が日本の大学を選びやすくなるため、世界の優秀な人材を確保することにもつながる期待もある(もちろん大学自体に魅力があるかどうかが第一であるが)。

いま「9月入学」を声高に叫んでいる人々(特に大人)の多くは、これを理由としている。