さらにアトリエの壁には複雑なメモのようなものも発見。
このメモは、西野さんが手掛ける仕事のお金の流れと宣伝の流れを可視化したものだという。
「例えば、僕の絵本は分業制で作っているんです。生々しい話をすると一冊作るのに2千万くらい制作費がかかる。スタッフさんのギャランティーを印税では回収できない。そこで、絵本の製作費をオンラインサロンから持ってくる。月額のオンラインサロンの売り上げで絵本を作っていく。この絵本は何のために作っているのかというと、のちのち美術館をつくるためです」
西野さんの“美術館とつくる”という構想に驚く坂上だが、西野さんは地元・兵庫県に絵本の美術館をつくることを思い描いている。
メモにはさまざまな仕事が線と線で結ばれているが、「矢印がつながっていないのはあまりよくない。単体でやり過ぎているので。なので、矢印がつながっていない仕事から切っていく感じですね」と、“芸人・西野”とはかけ離れた会話に、思わず坂上は「俺、芸人に会いに来たんだよ…」とこぼした。
「オンラインサロン」の魅力とは
西野さんのビジネスの中心は「オンラインサロン」にある。
オンラインサロンは、芸能人や文化人などが運営するインターネット上のサークルのようなもので、会員同士で意見交換やイベントなどさまざまな活動を行う。西野さんが4年前に始めた「西野亮廣エンタメ研究所」は、数あるオンラインサロンの中で会員数1位と言われている。ちなみに会費は月額千円。
このオンラインサロンの会費を中心に、出版物の印税や年間約50回行う講演会の収入などを加えると、西野さん個人が稼ぎ出す金額は年間7億円にものぼるという。
一体、西野さんのオンラインはなぜ、国内最大級なのか。
2月28日、兵庫県のとある駐車場で西野さんは、今年映画化を予定している「えんとつ町のプペル」の主題歌のミュージックビデオを相方の梶原雄太さんと撮影していた。
この撮影で集まったスタッフたちは、オンラインサロンのメンバー。