新型コロナウイルスに関して、テレビやネットでは、様々な情報が飛び交っている。
情報化社会の中では、普段からフェイクニュースや信頼性の低い情報ばかりを閲覧しがちな人のところには、質の低い情報が集まりがちであり、情報リテラシーの高い人のところには、質のよい情報が集まってくる傾向がある。では、医学のリテラシーがあり、医学情報の収集になれている医師たちは、どんなサイトを見、話題にしているのか。
新型コロナウイルスに関して、情報が飽和してきた今だからこそ、「信頼できる情報を参照する」という基本に立ち返る必要がある。周囲の医師たちや、Facebook, Twitterなどでつながっている医師たち(感染症の専門家もいるが、専門家ではない人も多い)が見ているいくつかのサイトを、医師であるわたしが紹介しようと思う(医療ジャーナリスト、放射線診断専門医、松村むつみ)。
1. 公的なサイト
やはり、一番信頼性が高いのは公的機関のサイトだ。日本の厚生労働省のサイトは見やすいレイアウトとは言えないが、情報は日々更新されている。自治体の対策サイトは、自治体にもよるがかなり見やすくなっている。また、世界保健機関(以下、WHO)やアメリカ疾病予防管理センター (以下、CDC)のサイトなどは、レイアウトも工夫され一般の方にもわかりやすくなっているので、ぜひ覗いてみてほしい。
1)厚生労働省
日本在住者としては、もっとも信頼できる公的なサイトであり、ぜひ見てほしい。一般の方は、「国民の皆さまへ」というところをクリックすると、必要な情報が得られるのではないだろうか。
2)自治体の「新型コロナウイルス感染症対策サイト」
「東京 コロナウイルス対策サイト」というワードで検索すると、東京都の新型コロナウイルス感染症対策サイトが上位に表示される。
このページは非常に見やすく、その日に判明した患者数が当日反映される(陽性者数の反映は、毎日20時を過ぎることが多い)。
注意しなければならないのは、陽性者数は当日に反映されるが、検査数は集計の都合上、当日に反映されるとは限らず、後日修正されることがある点だ。
また、東京都では行政・民間ともに、基本的には休日にも検査が行われているが、検査を出す医療機関が休みになるため検査数は減る(最近、ワイドショーで、休日は行政検査が休みになっているという誤情報が流れ、コメンテーターが謝罪した)。そのため、1日の検査数にはばらつきがあり、陽性者数もそれにしたがって上下する。
1日の感染者数に一喜一憂するのではなく、1週間の平均や、7日移動平均で見ることが重要だろう。
同様のページは、神奈川県や千葉県にもあり、発症者の多い自治体には専用サイトがある。ぜひ、お住まいの各自治体のサイトをチェックしてほしい。