文春オンライン

パン粉が主役の #テレワーク飯 家にあるもので作れる“現地っぽい”パスタ <レシピつき>

2020/05/14

source : CREA WEB

genre : ライフ, グルメ

 郷土料理こそがイタリア料理の真髄!

 イタリア各地方の郷土料理や、マンマが工夫して作った料理を研究している齋藤奈津子さんが、家でも出来る簡単なイタリア料理をご紹介します。


パン粉をチーズに見立てた、シチリア州の絶品パスタ

©齋藤奈津子

 今回ご紹介するパスタは、シチリア州の郷土パスタ「アンチョビとパン粉のスパゲッティ」です。

ADVERTISEMENT

 これはシチリア州を代表するクッチーナ ポーヴェラという料理の一つです。

「cucina povera(クッチーナ ポーヴェラ)」とは直訳すると貧乏人の料理という意味で、庶民の料理をさします。

 それに対し「cucina ricca(クッチーナ リッカ=金持ちの料理)」という料理もあり、主に貴族が食べていた料理などを指します。

 家庭料理の真髄はクッチーナ ポーヴェラにあり、昔、食材が乏しかったとき、農民や漁師、家庭のマンマたちが、身近な食材や余った食材を使って工夫したお料理です。

 そこには知恵や残さず食べる精神が詰まっていて、シンプルでとても美味しいのです。

 クッチーナ・ポーヴェラこそが、今も数多く残るイタリア郷土料理の基盤であり愛されています。

 このアンチョビとパン粉のスパゲッテイは、パン粉をチーズに見立てて作ったと言われています。

 恐らく余ったパンを使ったのでしょう。食材を美味しく最後まで使うという庶民の知恵と、イタリア人らしいユニークさが詰まっています。

 日本でもご家庭にあるパン粉を使って、簡単に作れます。