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「一週間、朝から晩まで算数を」東大理Ⅲに子供4人合格 佐藤ママが教える『コロナ休校を味方につける勉強術』【中学受験篇】

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【ポイント2】一週間、寝ても覚めても同じ科目をやり続ける

 復習をするうえでも、スケジュールが大切です。とくに小学生の場合は、親の管理の仕方がかなり影響します。中学受験は「保護者の受験」と言われるほどですから。今の時期、お母さん方は「子どもに色々とやらせなければ」という心配に駆られて、午前中は国語、午後は算数、夜は理科、と1日に各科目を詰め込んだスケジュールを立ててしまいます。1日で色んな科目をやると安心できますが、実はこれが非常に効率が悪いんです。

 よく考えてみてください。朝から国語の問題集を1~10ページやるとします。すると次の11ページ目からは、翌朝にやることになる。つまり24時間前にやったことを思い出しながら、問題の続きを解くことになるんです。しかも、その間に算数や理科と他の科目もやっているので、子供の頭の中は、色々な項目でいっぱいになって却って散らかってしまうんですよ。

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 では、どうすればいいのか。今の休校期間中であれば、せっかく時間がたっぷりあるので、算数の復習をやると決めたら、一週間、朝から晩まで算数だけをやる。寝ても覚めても算数をやり続けるのです。

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 同じ科目だけで飽きるのでは……と思うかもしれませんが、心配は要りません。復習ですから、理解している項目は早く進むし、思いがけなく分からなかった問題が解けるようになると嬉しいものです。「同じ科目をやり続ける」ということが一番効率のいいやり方です。人間の脳はちょっとやそっとでは賢くはなりません。「これでもか!」というくらい刺激し続けることが大事なんです。

【ポイント3】算数は「特製ノート」で飛躍的に効率UP

 実際に各科目についてどのように勉強していくべきか、いくつかポイントを紹介しましょう。まずは、算数。先ほど計算の話をしましたが、計算問題を大量に解くにつれ、慣れてくると数字をササッと崩してメモのように書く子がいますが、これは危険です。自分で書いた数字の判別がつかなくなり、他の数字と混同して、計算を間違えてしまうからです。

 うちでも「数字の書き終わりは、はねずにトメること」とうるさく言っていました。親が採点をしてあげるときにチェックするなどして、数字はあくまでも丁寧に書かせるよう心がけましょう。

 算数は問題を解くときに、計算をしたり、図形を描いたりするので、広いスペースを使って考える必要があります。普通は問題集を左に、ノートを右に並べて問題を解くものです。解いている最中は何度も問題を見ますから、その度に頭は右に左にと振り続けることになります。そのやり方が当然のことだと思っている人が多いのですが、実は非常に労力も時間も無駄にしているのです。それを防ぐため、うちでは私が「特製ノート」を作っていました。

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 まず市販のノートを用意します。私はイオンのトップバリュA罫(罫線が7mm幅)をよく使っていましたが、見やすくて安いのでオススメです。次に塾のテキストの問題を全てコピーし、それをハサミで一つ一つ切り取って、ノートの一番上に貼り付ける。計算問題であれば1ページにつき3題ほど(複雑なものは1題のみ)、文章問題であれば1ページにつき1題(小問があれば2ページ使う)です。そうすると、子供は問題の下の広いスペースを使ってゆっくり考えることができるわけです。これはかなり便利で効果があったと思います。