小中高の全国一斉休校がスタートして約3カ月。「オンライン授業が始まったけれど、子供の集中力が続かない」「すでに学校が再開した自治体、再開前倒しを発表する自治体もあるのに、ウチの地域は……」等々、頭を悩ませている親は多いのではないでしょうか? 今、日本の教育は家庭がかなりの部分を担わざるをえない状況です。

「だからこそ私が恐れているのは、休校期間中に家でダラダラ過ごした子と、きちんと勉強した子とでは、学校が再開するころには驚くほどの教育格差がついているということです」

 と警鐘を鳴らすのは、息子3人と娘1人を東大理Ⅲに合格させたことで知られ、現在は教育・受験アドバイザーとして活躍する“佐藤ママ”こと佐藤亮子さん。子供たちが東京に進学するまでは、奈良県の自宅のリビングで毎日勉強のサポートをしていた佐藤さんは、「家庭学習はちょっとした工夫ではかどるようになる」「いまは時間があるのだから、それをうまく利用して」と言います。

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「この3カ月で子供の生活時間がすっかり乱れてしまった」というご家庭でも、今から変えれば大丈夫。全4回の集中連載で、佐藤ママ流のコロナ禍の勉強法を教えていただきます。第3回の今日は【高校受験篇】。

(全4回の#3/#1#2、#4は後日公開予定)

”佐藤ママ”こと佐藤亮子さん ©︎文藝春秋

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【ポイント1】日本人の“参考書主義”はムダ。合格する人は“問題集主義”

 前回は中学受験を控える小学生にとって、復習がいかに大切かをお話ししました。では、高校受験の場合はどうでしょう。高校受験もアプローチの仕方は全く同じで、まずは「復習」をする。ポイントは、英語の不安をなくすことです。中学3年生であれば、中1、中2と過去2年分の範囲を初めからやり直しましょう。

「ABC……」とか「It is~~」とか基礎からやり直すんです。ただ、どんなに英語が苦手な人でも「さすがに中3にもなってABCからやり直すのは……」と飛ばしてしまう人が多いのです。その考えが甘い! 苦手でテストで点が取れないんでしょう? そんな何の役にも立たないプライドなんか早く捨てて、「1ページ目からやり直す」という謙虚な気持ちで復習しましょう。他の苦手な科目を復習するときも同じで、最初の一歩から必ずやり直すべきです。

 もう一つ復習をする上でのポイントがあります。それは自分に合ったやりやすい問題集を買う、ということです。復習となると「教科書を見直す」と考える人が非常に多いんです。まず、教科書の内容をよく理解してから問題を解きたい、という気持ちは分かります。でも、そんなことをしていたら時間ばかりかかって、あっという間に受験本番を迎えてしまいます。そもそも、教科書は授業で一度見ているから、新鮮味がなくてヤル気が出ません。

「週刊文春WOMAN」2020 春号