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「例年は夏休みに始める過去問に今すぐ着手」東大理Ⅲに子供4人合格 佐藤ママが教える『コロナ休校を味方につける勉強術』【高校受験篇】

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【ポイント5】問題集は2度以上解くことを前提に、最初に2冊買っておく

 同じ問題集を2回以上は解くので、効率よくするために、あらかじめ同じ問題集を2冊買っておくことをお薦めします。いちいちコピーしていては大変ですからね。1冊目には答えを書き込んで使い倒して、2冊目の答えは別のノートなどに書く。要するに、何も書き込んでいない問題集を1冊キープしておくと便利ということです。

【ポイント6】問題集は薄くて易しいほどいい。お薦めは『中学ニューコース問題集』

 では、どんな問題集を選ぶのが良いのでしょうか。まず、薄いこと。問題集はなるべく早く最後のページまで辿り着くのが重要です。分厚いと、いつまで経っても終わらないので、途中で挫折してしまう。文字もギュウギュウ詰めではなく大きくて見やすいもの。そして易しい問題が並んでいるものが良いでしょう。とにかく1冊を最後までやり終え、達成感を味わうことを優先させましょう。易しい問題集でも1冊全部終わらせると、意外なことに実力がついていて、もう少し難しい問題集にトライしても、「あれ?」と不思議に思うほど答えが浮かんでくるものです。

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 私のお薦めは『中学ニューコース問題集』(学研プラス)です。「中1理科」「中2数学」といったように、中学1年~3年それぞれの学年ごとに分かれていて、英語、数学、理科、社会、国語の全5科目をカバーしています。どれも130ページ前後と薄いのもいい感じです。他にも『くわしい問題集』(文英堂)のシリーズなどもお薦めです。

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【ポイント7】過去問は今すぐ着手。本番さながらに取り組む必要はなし!

 よく受験生にとって夏休みは「天王山」と言われます。それは学校の授業がないので、勉強にじっくり取り組める時間があって実力をつけるチャンスだから、そう呼ばれるのです。でも今年は事情が違います。休校によって遅れた分を取り戻すために、学校は7月、8月も授業を行うことが考えられます。そうなると、夏の「天王山」は無くなるかもしれない。むしろ、この休校期間中の今こそが天王山だと考えるべきかもしれません。普通、高校受験を控えた中学3年生は、9月ごろから過去問をやり始めると思いますが、今年の場合、それでは遅い。予定を前倒しして今のうちから過去問を始めることをお薦めします。

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 過去問はまさに実際に出題された問題ですから、相手となる志望校の手の内を知ることができる。それを十分知り尽くしてから受験に臨むのが王道ですよね。とくに公立高校の過去問は基礎的な問題が多く、難問・奇問は出ません。そのため受験本番では、ほぼ「満点勝負」という側面もあります。でも、それは裏を返せば実力をつけるのに最適な良問が揃っているということです。