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 数学はまだ全部のカリキュラムを終えていないので、今の時点でいきなり過去問は難しいかもしれませんが、英語、国語、社会など文系の科目は過去問をやってみましょう。理科も「水溶液の中和」とか「天体」とか分野ごとに設問が分かれているので、自分が分かる問題だけをやれば良いんです。例えば地元の県立高校の過去問が終わったら、今度は隣の県の過去問を解いてみるとか、そうやって色々な都道府県の過去問に挑戦してみるのも良いと思います。

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 過去問をやる時に「さあ、何点とれるかな?」と、本番さながらに制限時間を設けて、自分の実力を試す人が多いと思います。学校や塾の先生も「本番のテストを受けるつもりでやってみなさい」と言う場合が多いんです。それは間違いだと私は思っています。特に今の時期は、問題集と同じで過去問も分からないところがあると思います。その場合もすぐに答えを見てしまいましょう。解き終わったら、もう1冊同じ過去問を用意して、繰り返し解くことが重要です。今は時間を測る必要もありません。それは本番直前の1月からで十分でしょう。

【ポイント8】歴史の暗記には『学習まんが 日本の歴史』と『学習漫画 世界の歴史』

 休校期間中はせっかく時間があるので、問題集や参考書以外にも例えば、漫画などを活用してみるのはいかがでしょう。日本史や世界史の漫画は最後まで楽しく読めます。全部で十何巻とか、多いものは二十巻を超えると思いますが、授業が始まったら読んでいられないでしょうから、今が読破するチャンスなんです。うちの子供たちも中間・期末テストの前はまず歴史漫画を読んでいました。

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 最近は本当にたくさんの種類が出ています。私も書店に行ってパラパラと捲ってみて驚いたのですが、最近の歴史漫画は主人公がかなり美形だったり、キャラが濃過ぎたりするんです(笑)。これでは気が散って肝心の知識が頭に入ってきません。私のお薦めは昔ながらの『学習まんが 日本の歴史』(小学館)や『学習漫画 世界の歴史』(集英社)ですね。登場人物の顔も普通で、キャラが立っていないので、歴史の流れを淡々と追うことができる(笑)。描かれる服装や風景もしっかりと時代考証にもとづいていますし、欄外には細かな注釈が書かれていて、それが意外に役に立ったりするのです。歴史は、現代までの大まかな流れをつかむことが大切ですが、漫画であれば石器時代から現代まであっという間に読めてしまう。受験生の場合は気分転換にも大いに役立ちます。

さとうりょうこ
大分県出身。津田塾大学英文学科卒業後、大分県内の私立高校で英語教師として2年間勤務。 結婚後、弁護士の夫が勤務する奈良県に移り、専業主婦に。4人の子どものうち、長男(1991年生まれ)、次男(1993年生まれ)、三男(1995年生まれ)は灘中学校・灘高等学校を経て、東京大学理科Ⅲ類に進学。 長女(1998年生まれ)は洛南中学・高等学校を経て、東京大学理科Ⅲ類に進学。 現在、長男と次男は医師として活躍。三男と長女は東大医学部の学生。 その育児法、教育法に注目が集まり、全国で講演を行っている。 2019年11月にはオンラインサロンをオープン、ますます旺盛な活動を展開する。