「このドラマでは夫婦が壊れるきっかけは不倫ですが、そこからさまざまな関係の危うさもあぶり出されます。夫婦、男女の関係から、子供との関係、親しいと思っていた同僚との距離の遠さ、周囲が密かに抱いていた主人公へ渦巻く嫉妬、既婚者か未婚者か、既婚者であっても子供がいるかいないかという違いに向けられる視線などさまざまな素材がちりばめられています。
韓国版ではさらに、未婚者という理由から実力があっても病院で認めてもらえない主人公の同僚の女性医師を登場させることで、女性のガラスの天井を暗示させたり、ここ数年、韓国で問題になっているデート暴力(交際相手から受ける暴力)も生々しく描かれたことが視聴者にリアルにせまったのではないでしょうか」(前出記者)
離婚経験のある女性会社員は「ラーメンをすする音が忘れられない」
見る側の視点もさまざまだ。
欠かさず視聴していたという40代後半の会社員の女性はこう話す。
「月曜に必ず話題になっていたんですけど、本当にみんな見方が違うので、そんな話ができたのも面白かったです。エンディングが韓国版は原作と違うのですが、あのシーンも、まったく信じられないという人がいれば、いや、やはり元夫とはいえ憐憫は残るし、という人もいて盛り上がりました。本当に夫婦の関係、家族の在り方って人それぞれ、いろいろなんだなあってあらためて思いました」
自身も夫の二度の不倫が原因で離婚し、現在はひとりで子供ふたりを育てる50代前半の女性会社員が今でも忘れられないのは、劇中で元夫が音を立てながらラーメンを食べるシーンだと言う。
これは、元夫が今の奥さんには言えない”秘密”を作りながらも何事もなかったかのように新しい家でいつもの日常を送っているワンシーンだ。