「レールを感覚でつながずにキッチリつなげたい」
――これは空転さんを始め、プラレールの達人たちの影響が大きいかと(笑)。ところで、プラレールの「システム」に気づいたのはいつですか?
空転 子どもの頃から「レールを感覚でつながずにキッチリつなげたい」と考えていました。小学生の頃にTOMIXのレールシステムを知ったのも大きかったと思います。実際にレールのつなぎ方を理論立てて考え出したのは、20代になってからです。イベントなどで大きな立体レイアウトを作る際、ゆがみがあると倒壊の危険が出てきます。それをどうやったら避けられるか、仲間たちと考えていたのがはじまりです。それをまとめて同人誌を作ると、ビックリするほどたくさんの方に買っていただけました。それだけレイアウト作りに困っている親御さんが多いんですよね。
――楕円エンドレスを基本としてどのようにレベルアップしたら理解しやすいですか。
空転 斜めの直線やS字カーブを作ったら、いつまでたってもエンドレスにできない……というパターンになりがちです。まずは「点対称」に作ることをお勧めしています。適当につないだレールでも、同じものを作ってグルッと回せば必ずエンドレスにできます。「対称線形法」と呼んでいます。また、レールの移動量(距離)に注目すると、レール数本を置き換えてルートが変えられることに気が付くと思います。これは「部分線形置換法」と呼んでいます。これで単純なエンドレスに変化をつけることができます。
テンプレートの組み合わせで立体レイアウトも実現
――面積が限られているなら立体化、これもすごいですね。
空転 立体レイアウトは見栄えもしてとても楽しいですね。でも、しっかり考えないと橋脚とレールが干渉してしまいます。考え方としては、先程のルートの置き換えで、「ここも変えられる、ここも…」とやっていくと、幾何学模様のような定型の「テンプレート」が浮かんできます。そのテンプレートからルートを選び、どんどん積んでいくと、きれいな立体にすることができるんです。テンプレートを組み合わせる方法を覚えてしまえば、レイアウトを作るスピードも格段に速くなります。ただし、高さが増すほどブロック橋脚とカーブレールを湯水のように使うので、後片付けも大変です(笑)。