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 他方、絢斗はあるインタビューで、俳優業を続けていくために何が必要と思うかと問われ、しばらく考えたあとで、《一つはっきりと思うのは、他の誰かと一緒になりたくないということ。普通なら『ここでこんな表情をしないよね』って皆が思うようなことをあえてやりたい。誰かのモノマネではなく、自分の感性を大事にしたいんです》と答えた(※3)。瑛太も先のインタビューで《どの役柄も一貫性を持っているようで持っていない。でもそれでいいと思うんです。僕が演じていれば、ある意味何をやっても成立するはずだから》と、自負ともとれる発言をしている(※2)。役になりきろうとしながらも、どこかで自分らしさを表現しようという点では、兄弟いずれも共通する。

NHKホームページより

 絢斗は、緊急事態宣言下にあったこの4月、行定勲監督の呼びかけに応じて、リモートドラマ『きょうのできごと a day in the home』に、柄本佑・高良健吾・浅香航大・アフロ(MOROHA)・有村架純とともに出演している。YouTubeで公開後1カ月で再生が25万回を超えた同作は、学生時代からの仲間らしい男5人がそれぞれ家にいながらネット上に集まってリモート飲みをするうち、意表を突く形で有村演じるヒロインが登場するという短編であった。リモート飲みの最中に音声が途切れてしまったところもそのまま活かすなど、即興性がかえってリアリティを感じさせた。これに対し、同じリモートドラマながら、CGなども使った『Living』はどんなものになるのだろうか。楽しみに待ちたい。

JRAのCMで有村架純と共演した瑛太(2015年) ©文藝春秋

※1 NHK・番組ホームページ(https://www.nhk.jp/p/ts/L155MXM7LN/
※2 『週刊文春』2017年10月19日号
※3 『週刊現代』2017年8月5日号
※4 『ステラ』2018年11月16日号
※5 『AERA』2014年10月27日号
※6 『ダ・ヴィンチ』2017年11月号