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連載サウナ人生、波乱万蒸。

2020/06/20

 うちってお墓ないんです。債権者にガンガン金づちで破壊されてしまって(笑)。でもよく考えたら、父親と母親のDNAが入っているこの体自体が墓標なんじゃないかなって思っていて。だからサウナに入ってくる子どもたちにも『お父さんとお母さんが本当に好きなら、その体を大切にしなさい。それが最終的にみんな守ってくれるから』って伝えさせてもらってるんです。じゃあ大切にするってどういうことか。体を定期的に温めて、冷やすということ。サウナと水風呂ですよね。人体は精密機械なんでメンテナンスが大事なんです」

広くて冷たい水風呂
ととのいスペースも充実の露天風呂。施設のキャラは濃いが基本セッティングも素晴らしい

「純粋に日本文化としての、サウナと水風呂を伝えていきたい」

 自らのフィジカルで感じ、編み出した独自のサウナ理論、“熱波道”。なんとも元プロレスラーらしい。こうした井上の生き様や考え方に惹かれ、熱波を受けに来る客は後を絶たない。今や他の施設にも呼ばれるほどのカリスマ熱波師にまで上り詰めた。

「僕がやってきたことって、家業もプロレスも、その時々は点だけど、結局全部が繋がって線になっていったと思うんです。熱波師はまさにその延長線上にある。

 今、『おふろの国』で熱波師検定の講師として、サウナの良さを皆さんに教授させてもらっているんですけど、僕の中では“教えている”という風に思っていないんです。だって僕、教えられない。別に技術もないし(笑)。純粋に日本文化としての、サウナと水風呂を伝えていきたいんです」

 数々の苦労を重ねながら、人生を一歩一歩進んできた井上。彼が目指す先には、なにがあるのか。

「今、温浴施設も新型コロナウイルスの影響を受けていて、人間にとっての脅威ではあります。でも、昔から人間はそういうウイルスと共存してきたと思うんです。今回の新型コロナウイルスだって、きっと克服できるはず。だとすれば、サウナに入って体温を上げて水分を沢山とって、代謝をよくすることは今こそ大事なことなんじゃないかと思うんです」

 四角いリングからサウナ室に場所を変え、井上の闘いは続いていく。

「僕が人生をもって体で感じたサウナの素晴らしさを、今後も絶対に伝えていきたい。だから熱波師は可能な限りずっと続けていく。そう思ってこれからもやっていきます」

特番で結成された『熱波ベンジャーズ』。井上はトニー・スターク、万平はロケットといったところか。彼らなら本当に地球を救ってくれそうな気がする

INFORMATION

ファンタジーサウナ&スパ おふろの国

住所 神奈川県横浜市鶴見区下末吉2-25-23

土曜日を中心に井上熱波イベントを開催中。詳細は公式サイトをご確認ください。

http://ofuronokuni.co.jp/

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