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今期ドラマのカギは“新時代のリアリティ”「MIU」「未満」「ハケン」「家政夫のナギサ」……成功したのは?

2020/07/14

 コロナ禍の影響による延期で、ようやく4月期ドラマの放送が開始されてきた。一方で、7月期ドラマが一部スタートしたり、10月期ドラマの情報解禁があったりと、いまドラマ事情は混沌としている。

 現時点(7月9日)で放送されているドラマを観ていると、いくつか気になるポイントがある。“新時代のリアリティ”と“成功するバディ、失敗するバディ”そして“TBSの時代を読む巧さ”だ。

明暗を分けた人気ドラマの続編

 まずは人気ドラマの続編2作品からみてみよう。かたや2007年放送から13年ぶりの復活として注目される、篠原涼子主演の『ハケンの品格2』(日本テレビ系)。もう一方は2018年放送で好評を博し、ほどなくして続編がスタートした、木村拓哉主演の『BG~身辺警護人~』(テレビ朝日系)である。

木村拓哉 ©文藝春秋

『ハケンの品格2』は4週連続2ケタ視聴率を獲得し、『BG~身辺警護人~』も3週連続で14%超という好調さで推移している。とはいえ、その評価は分かれるところだ。

 まず、『BG』は前作同様 “まわりを引き立てるキムタク”が効いている。

 キムタクといえば、かつては『ビューティフルライフ』(TBS系・2000年1月期)や『プライド』(2004年1月期・フジテレビ系)など、“キムタクらしさ”が強調されたドラマで驚異的な視聴率を叩き出していたが、『グランメゾン東京』(TBS系・2019年10月期)や『教場』(フジテレビ系・2020年1月)以降、周りの俳優との化学反応で魅せるドラマに変わってきた。

『BG~身辺警護人~』(テレビ朝日系・公式サイトより)

 特に今回は「島崎」を演じる木村拓哉と、彼を「おっさん」と呼ぶ斎藤工のバディ感が観ていて楽しく、『相棒』など人気バディドラマを持つテレ朝ならではの安定感を示しているのだ。大きな話題性や新鮮味はないものの、わかりやすくシンプルな勧善懲悪の物語とキャラクターの魅力が相まって、馴染みやすい。前作ファンの期待にも応える内容になっていて安心して観ていられる。

 一方、13年ぶりの続編となった『ハケンの品格2』のほうは少々厳しい。

10年で大きく変わった「働き方」

 ここ10年ほどで、現実世界の「働き方」は大きく変わった。非正規雇用の割合が増え、特に40代以降のロスジェネ世代で増加している。「正社員は新人と大ベテランしかいない、中間層がごっそり抜けた職場」もあるし、「正社員1~3人+大量の非正規雇用者」なんて職場も珍しくない。一方でAIに取って代わられる仕事も増え、経営難に陥っている派遣会社も多いと聞く。