都会で“フィンランド式薪サウナ”の凄さ
「かるまる池袋」の白眉、それは都会のサウナの中に“フィンランド式薪サウナ”を設置するという前人未到の挑戦だった。薪=都会のビルの中で火を燃やすこと。消防法により、許可取りが難しいと言われるなか、実現したのは驚くべきことだった。
「東京のど真ん中のビルの中ですから、難しいなと思っていたんですけど。結果OKを出してくれたんですね。細かい折衝を繰り返し、結果的にはOKを出していただけました。これは可能性が広がる歴史的な第一歩だと思います。これが通ったということは、たぶん全国どこでもできるんですよ。あの東京消防庁がOKをしたんですから」
阪神淡路大震災で感じた、サウナのありがたさ
数々の業種を経験し、温浴コンサルとして結果を残してきた太田。彼がこれほどまでにサウナにこだわり続けるのにはある理由があった。
「1995年、神戸で阪神淡路大震災を経験しました。道路もライフラインも遮断され、1ヵ月以上経ってようやく東京に帰れることになり、途中、きれいにしようと思って横浜でサウナに寄ったんです。1ヵ月間まともに風呂にも入っていませんでしたから。
久しぶりのサウナに『なんてありがたいんだろう』と涙が止まらなくて、まさに、生きていることを実感しました。と同時に、『お風呂やサウナは人間に必要不可欠な存在だ』と確信したんです。絶対になくしちゃいけないと」
阪神淡路大震災から25年。今度は新型コロナウイルスという未曽有の災害にこの国は見舞われている。
「今までは“奇をてらう”施設が人気を集めていましたが、これからの時代はまず第一に“安全であること”が求められてくる。それも状況に応じてよりよい安全対策、衛生対策を徹底する必要があります。私も、ライフラインとしての温浴施設は新しい時代にどうあるべきかということを常に考えたいと思っています。
でもお客さんファーストであることは変わりません。様々な有識者が様々なことを言っていると思います。でも答えは現場にしかないんですよ。サウナづくりの神髄は、お客様が今求めているもの・お客様が将来的に求めるであろうもの、この2つを提供できるか。すべてはそれに集約されるんです」
今日もお客様の「ナイス!」のために――。太田のあくなき挑戦は続く。
INFORMATION
Sauna & Hotel かるまる池袋
住所 東京都豊島区池袋2丁目7−7 6階
※営業時間などの最新情報は公式HPをご確認ください。