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動物はメルヘンではなく現実

町田 僕が友森さんを応援しているのは、この人の活動はかた苦しい大義じゃなく、ただ動物が好きで、環境を改善したい、不幸な動物を減らしたいから走り回っている。ボランティアに任せっきりにするんじゃなくて、電話相談を受けたり多頭飼い崩壊の老人の家を訪ねたり。だから、できることは協力しようと思っていて、友森さんに何か言われたら、なるべく「はい!」と答えるようにしています(笑)。

友森 動物病院で看護師として働いた後、独立してペットサロンを開いたんですけど、開店準備金として借りたお金を数年後に完済して30歳のときに「何か好きなことをやろう」と思って、はじめたのが動物愛護活動です。活動をはじめた頃に、愛護センターの係の人に「むやみに動物を引き取るな。相談の電話がかかってきたら、説得するから私に回して!」と生意気なことを言ってしまって(笑)。

 だから、今も「センターから紹介されました。動物を放棄したいんですが……」という電話がしょっちゅう。最近は「高齢の親が入院したけど、 自分はペット不可の部屋に住んでいるから親が残したペットを引き取れない」なんていう話もありました。

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町田 高齢化と住宅事情が絡まってるんですね。

友森 先日の相談は「ビーグル犬を飼っていて、昼間吠えて苦情が来るから安楽死させたい」って。聞くと、以前は自営業で家にいたけど、会社勤めをするようになり、留守番をしている犬が吠え続けていると。

町田 飼い主を探しているんですかね。

友森 詳しく聞いてみると、飼い主が家にいるときはよくおやつをやっていたらしいんです。じゃあ、自動給餌器を買って3時間おきにおやつが出てくるようにしてみたら?とアドバイスしたら、吠えなくなったって。

町田 安楽死とか、極端なことを言い出す前に、打開できるよう現状を踏まえて考えてほしいですね。

友森 「機械でおやつをやるなんて、と思った」とか言うんだけど、死なせるよりはずっとましですよね。

町田 そういうの、よくありますね。「機械はよくない」「薬は飲ませたくない」とか。男性によくいるのが「去勢させたくない」。自分と犬や猫の区別が付いてないんでしょうか。それって自分のエゴの延長です。