三浦春馬は「生きるエネルギー、全面にそれが伝播してくる人」
8月8日の土曜スタジオパークでは、有村架純や柳楽優弥と共にスタジオに来ることができなかった3人目の俳優、三浦春馬の映像が流れた。「いるだけでみんなを笑顔にするような人だった」と、子役時代から三浦春馬と知人だった柳楽優弥が語り、「自分の演技にもその日のうちにメールをくれた。背中を押してくれるひと言を、必ずかけてくださる方だった」と有村架純が語った。
確かに三浦春馬は明るかった。インスタライブなどの半プライベート的な配信であっても、まるでこの時代の人間ではないように、もっと古い時代からタイムスリップしてきた青年のように礼儀正しく、肯定的に物事を語ろうとしていた。
7月8日に広島で行われた記者会見で、演出脚本の黒崎博氏は三浦春馬のキャスティング理由について「生きるエネルギー、全面にそれが伝播してくる人」と語った。そこからわずか10日後の彼の死によって、その言葉が皮肉な結果になったとは僕は思わない。それは間違いなく俳優としての三浦春馬を的確に表現した言葉だった。
「(演じた兵士の)明るい部分でも、漆黒とした感情に移り変わるんだという、そのむごさというものが表現できたらいいのかなと現場では思っていました」自分が演じた人物をそう語った言葉は、まるで彼自身について語った言葉のように今は聞こえる。
彼は必死に生きようとしていた。戦争中の若者たちがそうであったように、すぐそこに迫り引きずり込もうとする死の影を振り切るように明るく、希望を探そうとしていた。
広島の記者会見で三浦春馬は「今、僕たちはいろんなことで、人生を諦めたいと思う瞬間もある。けど、その空しく生きた一日が、当時あれほど生きたいと思っていた一日。一日は変わらないじゃないですか。そんなことを胸に、生きていきたい」と語っている。それは7月8日、彼の死の10日前に語られた、明らかに自死を戒め、生きる希望を探す言葉だ。
まるで追いすがる死よりも早く走ろうとするかのように、三浦春馬は希望に向かって走ろうとしていた。「優しい春馬さん、深呼吸してください」と有村架純はインスタグラムで追悼の言葉を送った。「柳楽くんは優しさが出て、(自死を止める演技のリハーサルで)僕を強く殴れなくて、子犬を撫でるみたいな芝居になっちゃった」と笑う生前の三浦春馬の映像がスタジオパークで流れると、柳楽優弥は「ごめんね」と呟いた。