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8月15日は終戦記念日であり、生者と死者が語り合う季節

 ‪「未来の話をしよう」と、三浦春馬が劇中で演じた若い兵士が語るシーンがスタジオパークで流れた。その物語がどのような内容でどんな結末に至るのか、これを書いている時点で8K先行放送も試写会も見ていない僕にはまだわからない。だがそれは、柳楽優弥、有村架純、三浦春馬という戦後の若者たちが、戦前という過去を演じることで未来について考える物語である。

 そこで演じられるのは75年前に20代の若者だった、多くはもうこの世にいない死者たちの物語であり、演じる3人の戦後生まれの若者のうち、1人は彼らの側に行き、もうこの世にはいない。だが残った作品の中では、今も生きる俳優と今はもうこの世にいない俳優、生者と死者が同じ映像の中で言葉を交わし、観客に未来についてのメッセージを残す。

 この物語が放送される8月15日は言うまでもなく日本の戦争が終結した終戦記念日であり、そして日本においては死者の魂がこの世界に一時だけ戻り、生者と死者が再会し語り合うとされる盆である。

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「以前、広島に足を運んだ際に(被爆者の)話を伺って印象深かったのは、人間は想像力を欠如した時にむごいことをする、ということ」

 三浦春馬は7月8日、最後の記者会見でそう語った。

「戦争を進めていくうちに人間の想像力が欠如する。僕たちの仕事は、想像力を皆様に届けること」

 スタジオパークで流れた映像も同じ日に広島で撮影されたものだ。「想像力を届けることが、今後、あってはならない大きな流れを始めさせないきっかけになるんじゃないかなと思う」わずか1ヶ月前にそう語った、今はもうこの世にいない俳優が、映像上の存在として僕たちに何かを伝えに戻ってくる。

 サンスクリット語のウランバナに由来し、仏教用語で盂蘭盆会(うらぼんえ)‬と正式には呼ばれるその夜に、僕たちは戦前の、そして戦後の死者の声を聞く。

©︎iStock.com

INFORMATION

国際共同制作 特集ドラマ『太陽の子』
NHK総合 8月15日(土) 19:30〜
https://www.nhk.jp/p/ts/N84926PNYG/