赤い血でも大腸がんの可能性
「大腸がんの出血は黒っぽく、赤い血なら痔によるものと思われていますが、これは危険な思い込みです。日本人は肛門に近いS字結腸と直腸にがんができやすいと言われ、その出血は痔の出血の色とよく似ているので、痔にだまされることも多いのです」
大腸がんは、女性のがん死亡原因の第一位(国立がん研究センター2017年統計)。野澤氏のクリニックでも「赤い血だから痔からの出血ですよね」といって受診する人の中に、進行性の大腸がんを発見することがままあるという。これは40代、50代にも起きている。もし、大腸がん検診の便潜血検査で陽性反応(出血あり)が出たら、痔のせいにしないで必ず精密検査を受けることも重要だ。
「便が細くなる、便秘と下痢を繰り返す、便が少量しか出ないのに排便回数が増えたなどの便通の変化も、大腸がんでは見られます」
女性は年を重ねるほど、お尻からのサインに鈍感になってはいけない。かゆみや違和感を含め、「自分の体の訴えを聞く」ということが、心地よく生きる秘訣になるはずだ。
これだけでかゆみ、におい、イガイガ、不快感が改善!
「お尻まわりを老けさせないトイレとお風呂のルール」
●座り方
・洋式トイレでは足を大きく開いて座り、前傾姿勢をとる(尿がまっすぐ前に飛び、腟に入りにくくなる)
・便座が高いときは台の上に足をのせると、股が開きやすい
※排便では、出やすいポーズは人によって違うので、無理に前傾姿勢をとらなくてよい
●拭き方
・お尻にペーパー屑の残らないトイレットペーパーを使う(パッケージの「エンボス加工」「シャワートイレ用」「吸水力が高い」「お尻にはりつかない」などの表示を参考に)
・こすらず、軽くタップして尿を吸い取る
・紙を換えて2~3度タップし、水分がつかなくなるまで仕上げを
・トイレットペーパーでかゆみやかぶれが出る人は、古い肌着などでふき取り布を作るとよい(30枚ほどあると洗い替えできる)
●温水洗浄便座
・原則として排便時のみで排尿時には使用しない
・水流を強くしない
・当てすぎない(1回に10秒程度)
・尿道口や腟に直接当てない、ビデは使わない
・排便の前に肛門を刺激しない
・かゆみ、ムズムズ感、痛み、炎症などのあるときは、温水洗浄はしない
●洗い方
・一日1回、お風呂でよく洗う
沁みない洗浄剤(弱酸性、赤ちゃん用ボディソープなど)を使い、指を使ってていねいに優しくすすぐ
・痔のケアには浴槽でよく温まる
●スキンケア・下着
・外陰部や腟粘膜に適した保湿剤を使う
・綿・絹のきつくない下着を使う。くいこむ下着、スパッツなどはかゆみ、炎症、黒ずみなどの原因
・症状のひどい人は下着の洗濯に洗濯石けんを使用し、合成洗剤や柔軟剤を使用しない
・おりものシートを漫然と1日中あてることはしない。使いすぎは蒸れや炎症のもと
・尿もれパッド、生理用ナプキンは肌に合うものを使う。月経時だけかゆみが出る人は、製品を変えてみる
・腟のかゆみ止め、腟カンジダ用の塗り薬は自己判断で使わず、婦人科、泌尿器科、皮膚科に相談を