2014年からツイッタージャパンの代表取締役を務める笹本裕氏。新卒で入社したリクルートでトップ営業マンになり、MTVやマイクロソフトなど外資系企業でキャリアを積んできた。笹本氏は「つねに人に恵まれてきた」というが、そのコツはあるのだろうか。

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Q.会社で結果を出すためのヒントはありますか?

<リクルートの新人時代、営業はツラかった。でも「このままだと笹本は目標達成しないからヤバイぞ」と他のメンバーが営業の電話をして、受注してくれたことがあります。医師だった祖父の「人のためになることをしろ」がぼくの原点ですが、「まわりが成功するから、自分も成功する」を信じています>@yusasamoto

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「ぼくの代わりに営業してくれる人がいました」

Twitter Japan代表取締役の笹本裕さん

 リクルートでの営業はしんどいものでしたが、お客さんには恵まれていました。なぜか不動産会社の役員や部長の方々からは、かわいがっていただけた。留学が決まったときも取引先のみなさんからお祝いをいただきました。お客さまに恵まれた新人時代でした。

 チームのメンバーにもすごく恵まれました。雑誌「住宅情報」はかんたんにいえば、営業マンと広告の原稿を書く担当に分かれていたのですが、この原稿担当の人たちが、ぼくのことを支えてくれたんです。なぜか私の営業の電話を一生懸命してくれるんです。「このままだと笹本は目標達成しないからヤバイぞ」ということで、裏でがんばってくれた。

 リクルートでは当時、広告を受注すると、出先から電話で受注報告の電話をすることになっていました。電話をかけると、フロアじゅうに「笹本さんがいくら受注しました!」と報告するんです。ぼくの場合、そういうことももちろんあるのですが、逆に原稿担当の人たちが「今日はいくらか受注しておいたからね」という報告をくれていました。

 

 人のために仕事ができていたのか? まわりがぼくのために仕事をしてくれていたのか? とにかく人に恵まれていたのは確かです。

医者だった祖父の口ぐせ「人のためになることをしろ」

 これだけ人に恵まれた理由を不思議に思われるかもしれません。

 ぼく自身は「人に恵まれよう」と思っているわけではありません。気持ちは逆なんです。人を助けたい、人の役に立ちたいという思いがあるだけです。

 じつは祖父は日本赤十字社の医者でした。彼はクリスチャンで、とても厳格でした。その祖父から「人のためになることをしろ」と言われて育ってきたんですね。だから気持ち的には「人のため」というのが自分の原点です。しかし、それがいつのまにか支えていただいちゃっているという(笑)。