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それでもセミを食べたい場合は? セミ食イベント主催者に聞いた

 区役所に苦情が入るほど日本人には馴染みがない“セミ食”だが、実は、セミを捕って調理後に食べる「セミ会」と称したイベントは全国各地で開催されている。

 東京都多摩市で毎年「セミ会」を主催している、ポータルサイト『セミたま』の伊藤洋平氏に、今回のセミ乱獲騒動やセミ会について聞いた。

――『セミたま』の「セミ会」は、どのようなイベントなのでしょうか?

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伊藤洋平氏(以下、伊藤)「2018年から開催しているイベントで、夕方頃から多摩市内の公園でセミの成虫や幼虫を捕ったあと、多摩市若者会議が運営する『未知カフェ』に移動して、調理と試食をする会です」

2019年「セミ会」の様子。木の高い位置にいる元気なセミがおいしいとか。 ©セミたま

「参加者の多くはセミを食べたことがなく、『セミってどんな味なんだろう』という、強い好奇心や興味を持って来ますね。夏休みの自由研究として小学生が参加してくれることもあり、昨年は1週間ほどで40名の定員に達しました」

――人気のイベントなんですね。セミはどのように調理するんですか?

伊藤「まず、捕ったセミを大きな洗濯ネットに入れて大鍋で茹でます。200匹近くいるセミを一気に茹でる様は壮絶ですね。

 その後、素揚げや天ぷら、唐揚げなどの揚げ物を中心に調理します。ミンミンゼミはさっぱりした味わいでアブラゼミは旨味が強い、などセミの種類によって味にも違いがあります。

 昆虫食には『噛み切るときにネチョっとしてそう』というイメージがありますが、成虫はお腹が空っぽなのでネチョネチョしていません。サクサクした食感が楽しめます。幼虫はナッツのような味で、中華料理ではポピュラーな食材なんです」

セミの調理は移動して行う。 ©セミたま
セミのたこ焼きなど趣向を凝らした料理も。 ©セミたま