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賃貸サイトの「ルームシェア相談」、本当の意味は…女4人で共同生活の“落とし穴”

エッセイ『オタク女子が、4人で暮らしてみたら。』#1

2020/10/02
note

あんまりイカれてないメンバーを紹介するぜ

 結論から申し上げますと、簡単にメンバーが集まりました。

 もう少し難航するかと思ったけれど、本当に「誰かワイと一緒に住みたい人~」「は~い」くらいの感覚であった。コールアンドレスポンスか。

 しかも手を挙げてくれたのは2人。3人のつもりが、4人によるオタクルームシェアの機運である。一瞬「多いかな?」と思ったが、人数が多いほうが当然生活コストは下がる。その点でいえば、1人増えても問題ないかもしれないな、と思い直した。

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 LINEグループは、「多いほうが面白くね?」という雰囲気になっていた。「ノウハウをブログにまとめて、バズらせてアフィでチャリンチャリンじゃん!」「ルームシェア系YouTuberになれよ!」「いっそ初期EXILEよろしく中目黒で共同生活をしろ」など、あっという間に大喜利状態に。繰り返すようだが、オタクの女にとって、「面白い」は最優先事項(主語デカ)。この面白チャンス、乗っかっておくべきだ。

©️iStock.com

 手を挙げてくれた2人は、三上さんと角田さん。

 三上さんは関東近郊在住、実家暮らしのアラサーバンギャルで、親から「そろそろ家を出て独立してほしい」とせっつかれているという。本人としても都内での1人暮らしを考えていたところ、ルームシェアも楽しそうとのことで、立候補。

 角田さんは都内で1人暮らしをしているアラフォー。観劇を趣味とするオタクで、近年仕事も趣味も安定しているものの、逆に生活がルーティン化していることに悩んでおり、「なんか面白そう」という理由で立候補してくれた。ちなみに、お二方とも会社員。私と丸山さんがフリーランスなため、会社員の人がいてくれたほうが心強い!

 その場の勢いで、4人のLINEグループをつくり、打ち合わせを開始。

 完全に勢いだったこちらの提案に、友人たちが集まってくれている。「あ、私意外と好かれているのかもしれない」と、パートナーと別れて以降、ちょっと欠落していた自尊心が回復していくような気がした。

 誰かの得意なところは誰かの不得意なところ、そういう凸凹を補っていけたら、それはたいへんありがたい。住みたい部屋だとか理想の暮らしの話をするのはたいへん楽しい。しかし、ここは冷静になっておきたい気持ちもある。各々の事情をすり合わせていったところ、

・別に今すぐ引越したいわけではないので、いい物件が見つかったら動こう

・急に誰かが脱退すると大変だから、家族になにかあったときの相談はしておこう

・1人暮らしよりも生活費が高くなると意味がないので、1人頭5万~6万円=20~24万円の家賃の物件を想定し、初期費用の準備をしよう

・良さそうな物件があったらグーグルスプレッドシートで共有しよう

 といった形にまとまった。さあ、やっていきましょう。