「通勤に2時間近くかかる」とこぼしていた友人
星野さんは北関東在住で、たまに都内の同人誌即売会で上京してくるソシャゲのオタクだ。私も何回かお茶をしたり、お互いの推しのぬいぐるみを交換したことがある。角田さんとは観劇方面で趣味が合うらしく、私よりも仲が良かったと記憶している。たしか職場も北関東だったような?
角田「いや、星野さんは最近転職したんですよ。都内の会社に」
私「なるほど?」
角田「こないだ会ったときに『通勤に2時間近くかかって大変だ』って、こぼしてましたね」
丸山「そらワンチャンあるのでは?」
それはワンチャンありますな。早速、角田さんからルームシェアの話をもちかけてもらったところ、「気になります」と返事が来た。ヤッター!
ちょうど週末、角田さんと星野さんは観劇に行く約束があるという。「善は急げ」とその日に話し合いの場を設けることに。会場近くの小ぎれいな喫茶店に集合した我々は、神妙な面持ちで、「我々は、この物件に住みたい。しかしながら欠員が出てしまいました。いかがでしょうか」と話を切り出した。
星野「たしかに、最寄り駅は今の職場から電車で20分くらいですね。今は2時間近くかけているので、そのあたりに住めるならいい話です。ウチの会社、転勤はあるっちゃあるけれど、向こう数年は私には回ってこないと思います」
角田「駅から少し遠いけれど、最寄り駅行きのバス停からは徒歩3分、駅前には自転車置き場も豊富なようです」
丸山「ちなみに、内装はこんな感じ(内見で撮影した“ハウス”動画を見せる)」
私「家賃は21万円です。単純に4人で割ると5万円ちょいですが、家にいる時間の長い、我々フリーランスが多めに払うつもりではあります」
星野「ほほう……」
私・角田・丸山「いかがでしょうか!」
星野「両親に相談したいので、一度持ち帰っていいですか?」
「両親」というワードに、ちょっとビビる3人。こればっかりはなにもできないので、まんじりともせず待つしかないのであった。