これは目がおかしくなったのか、奇跡なのか。あの世に左脳の4分の1を置いてくることで、私には驚くべき変化がいろいろあったのです。(全6回の6回目/#1#2#3#4#5より続く)

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夜中に突然大量の鼻血が…

「これはヤバい」となったのはそれから3カ月ほどが経った2008年2月のこと。夜遅くに、突然大量の鼻血が出たのです。

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 みんな寝ている時間なので、騒ぎたてたりはせず、トイレに籠もって出血が止まるのを待ちましたが、いつまで経っても止まる気配がありません。暖房のないトイレは寒いし、そうだ、ドライヤーを持ってくればいいのでは? と閃いたのですが、鼻血が止まらず動けません。ついに貧血となり、大声で旦那を呼びました。

清水ちなみさん ©Ichisei Hiramatsu

 その後は覚えていません。驚いて飛び起きた旦那は私をトイレから布団まで必死に運んだそうです。失神状態で白目を剥き、いびきまでかいた私を見て、旦那は「もうダメかと思った」と言っていました。その後、なんとか意識が戻って鼻血も止まったのでそのまま寝ました。こうしてみると、身体はいろいろサインを送ってくれていたのでした。懲りない私です。

 寄り目が通常の状態に戻るまでには、半年以上かかりました。両目で見ると4つ、片目を閉じるとふたつ見えていた夜空の星も、1年後にはひとつになりました。

 このように、像がいくつも見えることを「複視」というそうですが、私はこの複視を3回も経験しています。

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去年の夏に、液晶テレビが台形に

 最初はクルマが運転できなくなった2007年、2度目はくも膜下出血と脳梗塞と失語症の2009年、3度目が去年の夏でした。

 テレビのスイッチを入れようとしたら、なぜか液晶テレビが台形に見えてびっくりしました。

「なんだ? テレビって四角じゃないの?」

 ちょうどテレビを新しくした1週間後でした。綺麗な画面で東京オリンピックのマラソン日本代表を決める「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」を見ようと思い切って買い替えたのです。