段田さんお気に入りの“幻のシーン”とは?
段田 僕はですね……第8話で、大和田の部屋に紀本が勝手に乗り込んでいたシーンがありましたよね。
――大和田が部屋に帰ってきたら、紀本常務が椅子に座っていて、振り返るシーンですね。大和田が半沢の動きを伝える代わりに「私を常務に推薦していただきたい」と言う……。
段田 あそこも結構好きだったんですが、その前の回で、実は大和田と「こういうわけだから、手を組もう」とやりとりするシーンが別にあったんです。それが非常に印象的だったんですが、結局使われなかったんです(笑)。そこはちょっと残念でしたね。
――それは幻のシーンですね! 機会があれば、ぜひ観てみたいです。『半沢直樹』は銀行が舞台の作品ですが、今回も多くの方が出演されている中で、特に紀本常務には「こんな感じの人、本当に銀行にいそう」というリアリティを強く感じました。
段田 今回の紀本役に限らず、どんな作品でも「あぁ、こういう人いるいる」と思っていただけるように、私も目指してやっています。こんな魚屋のお兄ちゃん、確かに近所にいるなぁ、みたいな。もしそういう風に観ていただけたなら、嬉しい限りです。ただ、私はちゃんとした会社に勤めた経験があるわけではないので、そもそも常務って専務の上なの、それとも下なの、という……それすらわからない、いい加減な人間なんですが(笑)。
(後編に続く)
撮影=佐藤亘/文藝春秋
INFORMATION
段田安則さんが演出・出演を務める舞台『女の一生』が、11月2日(月)〜26日(木)まで、新橋演舞場で上演されます。
上演日程やチケット購入についての詳しい情報は、下記ホームページにてご確認ください。
https://www.shochiku.co.jp/play/schedules/detail/enbujyo_20201031/
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