昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

「芝居にどれほどの力があるのか…」段田安則が問い直した“演劇の意味”と“新たな挑戦”への覚悟

段田安則さんインタビュー #2

 大ヒットドラマ『半沢直樹』で紀本常務役を演じた段田安則さんは、早くも次の作品に挑んでいる。11月2日から新橋演舞場で上演される舞台『女の一生』だ。昭和の演劇史にその名を残す杉村春子さんが、947回に渡って主役を演じた“不朽の名作”。その物語が、段田さんの演出によって新たに描かれる。

 今回、主人公の布引けい役を演じるのは大竹しのぶさん。段田さんも、けいの夫・堤伸太郎役として出演する。コロナによる自粛期間を経て、「舞台に立つことは当たり前ではないと気付いた」と語る段田さんが、この作品に賭ける思いとは――。(全2回の2回目/前編から続く

 

◆ ◆ ◆

――今年はコロナの影響で、演劇の世界も非常に大きな打撃を受けました。そんななかで、11月から『女の一生』の上演がスタートします。今の率直な気持ちを教えてください。

段田 そもそもこのお話を引き受けたのは2年くらい前のことだったのですが、そのときからオリンピックの頃には『女の一生』をやるんだなと、とても楽しみにしていたんです。ただ、この春先から2本、出演を予定していた舞台が中止になりまして、この作品もどうなるんだろうか、こういう状況だから延期や中止になってもしょうがないよな、と思っていました。それでも、新橋演舞場でできるということになったので、今は「よし、ちゃんとやらなきゃ」という気持ちですね。

――既に稽古も始まっていると伺いましたが、他の出演者・スタッフの方も、おそらく久しぶりの現場ではないかと思います。そのあたり、皆さんの舞台にかける思いや熱量をこれまで以上に実感されることはありますか?

 

みんないつもよりエンジンがかかっている

段田 いろいろな制限はありますが、それでもこうして舞台を作れる環境ができたことで、たしかに役者もスタッフの方も、いつもよりエンジンがかかっているというか、ちょっとテンションが高い雰囲気はありますね。

――稽古の段階でも、やはり感染に気をつけながら?

段田 そうですね。基本はマスクをしたままですし、入り口で検温をしたり、こまめに手を洗ったり、透明のパネルを置いたり……。そういうことは徹底してやっています。