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「これ以上、ゴネるなら裁判だ」

 しかし、これを許せばどうなるでしょうか。孝治さんの通帳には毎月「アカイツヨシ」と悪名が印字されることになり、嫌でも目に入りますし、期日に弁済されなければ督促をしなければなりません。いずれにしても、不倫男との接点が残るようでは、現時点で根本的に解決したとは言えないでしょう。

「これ以上、あなたがゴネるなら、僕は裁判も考えていますが、そうすると長期化は避けられない。考えてみてください。僕が今、あなたを前にして、こうして話をすること自体、苦痛以外の何者でもないんです。長引けば長引くほど、あなたは僕たち家族を傷つけることになるんです。僕だって、必ずしも裁判を望んでいるわけではないんですよ!」

 孝治さんは分割ではなく一括での弁済を求めました。男に100万円を一括で弁済できるほどの収入や資力があるかどうか、確信があるわけではありませんでしたが。

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 直談判の日から1週間後、孝治さんの口座には100万円が振り込まれていました。オトコが身銭を切ったのか、両親や勤務先、銀行やカード会社から借入などの方法で用立てたのかは不明ですが、裁判沙汰にはせず、示談で解決できたのは不幸中の幸いと言えるかもしれません。

ミッション(3) 嫁が拒んでも離婚に同意させる

 ところで孝治さん夫婦は、その後どうなったのでしょうか?

 男の件が片付いた後、今度は妻に対して「話がある」と切り出し、次の週末に話し合いの場をもうけたそうです。

「ここまでバカにされ、コケにされ、人格を否定されたんだから、覚悟できているだろうな!」

 孝治さんは強い口調で妻に言い放ちました。

写真はイメージです ©iStock.com

涙ながらの「心から反省しているわ」

 実は「妻の不貞」を疑ったのは今回が初めてではなく、PC上の『iCloud』に保存されている怪しげな写真を他にも発見していたのです。当時は、妻が見知らぬ男と肩を寄せ合う写真を「見なかったこと」にして水に流したのですが、さすがに2回目となると我慢の限界。今回ばかりは、と離婚を決断していました。もちろん、妻が男に『バレたら離婚でもしょうがない』と口走っていたことも一因でしたが。

「心から反省しているわ。許してもらえるなら、これからも一緒にやっていきたいの」