最初は2か月に1度のペースだったのに、今や毎週のように出かけるので、家事や育児もおろそかに。結局、土日はほとんど孝治さんが子どもの世話をせざるを得なくなり、不信感が募りました。
「一体、僕は何をやっているんだろう。家内ばかり遊び歩いて、こんなのはおかしいのではないか。そもそもちゃんとサークルに参加しているのだろうか。精神的に安定しているのは本当にパワースポットのおかげなのか? 毎週、毎週、一体どこの誰と会っているんだ」
ミッション(1) 動かぬ証拠を収集
孝治さんは居ても立っても居られなくなり、どうしても事の真偽を確かめずにはいられなくなりました。とはいえ、妻を直接問い詰めたところで、どうせ癇癪を起こして、逆ギレするに決まっています。
そこで、妻がパソコンに保存している『iPhoneのデータ』を探ることにしました。万が一、iPhoneのバックアップをとらずに故障して買い替えを余儀なくされると、再度、各種設定をするのはかなり大変。だから、パソコン上にダウンロードしたiTunesを通じてバックアップをとるのは決して珍しいことではなく、孝治さんの妻の場合、隔週で行っていました。
バックアップの対象は、電話帳や音楽、写真などのデータ、アプリ、SMSメールの送受信やLINEトーク、Facebookのメッセージなど。自宅のパソコンは夫婦共用で、夫のアカウントと妻のアカウントを使い分けていたのですが、孝治さんは妻のパスワードを知っていました。なぜなら、妻の手の動きを横目でこっそり観察したところ、パスワードは「誕生日の4桁」だろうと推測できたからです。
「早く一緒になりたいね」LINEの履歴には甘い言葉が……
恐る恐るパソコンを開き、パスワードを入力。「妻のアカウント」でログインすることに成功し、そのままiTunesを開いてみたのですが……。
「愛している」「早く一緒になりたいね」「同時にベッドに入ろうよ。眠りにつこうよ」
そんなふうに孝治さんとは別の男とスタンプを交えながら甘い言葉をかけあう様子がLINEトークに保存されていたのです。ハンドルネームは「つよぽん1975」。Facebookの『パワースポットサークル』の参加者一覧を見てみると「赤井剛 1975年生まれ」という輩がおり、LINEのIDと極めて似ていたため、おそらく同一人物と察しがつきました。
しかし、それだけではありませんでした。