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13の事件で裁かれて… 死刑判決直前に、オウム真理教・麻原彰晃が不敵に笑ったワケ

『私が見た21の死刑判決』より#4

2020/11/07

source : 文春新書

genre : ニュース, 社会, 読書

note

裁かれる13の事件

 その裁判長が判決を読み上げていく。

 それも、どこか早口で。

 裁かれる事件だけで13もある。その事実認定と、被告人、弁護人の無罪主張に対して、検討を加えていかなければならない。先を急がないと、1日で判決の言い渡しが終わるかどうかもわからない。

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 主文を後回しにした判決は、教団の成立からはじまって、時系列に沿って最初の殺人事件から検討を加えていく。89年2月に発生した最初の信徒殺害事件(田口修二さん殺害事件)、同年11月の坂本弁護士一家殺害事件、それから教団が武装化していく過程に触れ、サリンプラントを建設したこと(殺人予備罪)、教団で生成したサリンを使って引き起こした松本サリン事件、自動小銃製造、そして再度の信徒リンチ殺害事件(落田耕太郎さん殺害事件)にまでたどり着いて、判決の言い渡しは昼の休廷に入ってしまった。

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 死刑も予想される判決の言い渡し中に昼食を取る、というのもはじめての経験だった。

 もっとも、この時点で裁判所が言及した事件の全てにおいて「弁護人の意見は受け入れられない」「弁護人の主張は採用できない」と、無罪主張をことごとく退けていっていた。あらかたの予測はついていた。

 そんな場面での中断で、被告人は食事が喉を通るものだろうか。

 ちょっと残酷なような気もしながらランチをとって午後の法廷に戻ると、相変わらずの教祖の姿があった。鼻を鳴らして唸ってみせたり、意図的ににんまりと笑った表情を浮かべてみせたりしている。

 判決は続く。

 時間を追って、教団が犯していった事件に言及していく。

 そうして95年3月の地下鉄サリン事件にまでたどり着いた。

 無罪主張は全てにおいて否定され、そして、教団の主宰者である被告人が事件の首謀者であることを認定していた。

 それから、量刑の理由を説きはじめる。