――豊本さんの記憶に残る、思い出に残るコントはなんでしょう。
豊本 編集をするスナイパーみたいなネタ。ゴルゴ13風のキャラクターで、劇団ひとりがそれをやってて、映像の編集をやってくれる……消してほしい人物を消してくれるっていう。
――で、あの時消されたのが……。
角田 南スリです。南スリのロケ。
飯塚 南スリのロケ(笑)。
――ちょっと南スリさんが収録後に不祥事を起こしてしまい、仕方ないから画面から消すという。
角田 あれ箱根まで本当に行きましたからね。1日。
豊本 その時に、たぶん劇団ひとりが楽しくなっちゃってて、椅子のキャスターでスーッと滑りまくって、パソコンバーンって叩いたりして。で、劇団ひとりなりに決めポーズみたいなのを取るんですけど、目は決まってるのに、口笑っちゃってる。何回もそれをやり直させられてるっていうのが面白かったです。
たけしさんから聞いた「NHKのスタジオにお化けが出る」話
――たけしさんとは何かお話しされましたか。
飯塚 前回もコント1個だけ撮らせてもらったのかな。前室みたいなのがあって。みんなが座るようなところ。で、その時……あっ、2年前かな。サンドウィッチマンがいたかな。
角田 1回目だね。
飯塚 そうそう。その時に、NHKのスタジオにお化けが出るんだっていう話を聞きましたね、たけしさんから。これから笑わすっていう、コントを撮るっていう時に、なんでそんな話するんだって(笑)。
――03さんにとってたけしさんはどういう存在なんですか。
飯塚 たけしさんはちょっともう、雲の上の人。世代的には、ど真ん中で言ったらダウンタウンさんなんですよ。たけしさんはその上の方なので。俺、やっぱり2年前のたけしさんのコントで、恐怖の大王っていうコントがあって、あれが忘れられないんですよ。俺はそのコントには出てないんだけど、宙づりにされてるたけしさんを見学させてもらったんです。それがメチャクチャ神々しかったんですよね。
角田 上にいらっしゃったね……。
飯塚 上にいらっしゃる。それが、吊り下がってきて、池の中にボチャーンと。それを見てて、かっこいいなって。
角田 確かに。すごいよね。
飯塚 あの年齢でさ。
角田 ほんとに。確かにそう。
飯塚 自分たちがその年齢で宙づりにされてたらって考えると、すごくない?
――年齢もキャリアもすごいのに、コントでは宙づりにされる……。
飯塚 そう。バカなことをちゃんとやってくれる。かっこいいなと思いますね。
写真=榎本麻美/文藝春秋