「コントだけやっていたい」という東京03の願望は、ほんの数年前まで「理想論」と笑われてきた。今回のNHK「コントの日」連続インタビューで、劇団ひとりは「才能あるのに世に出れない人たち、ほんの数年前までは03がその当事者でしたからね」と評している。しかし今や3人はCMやドラマにも数多く出演し、自らの力で「理想」を「現実」にしつつある。彼らをブレイクへと導いたきっかけとは何だったのか。もはやキングオブコント覇者という説明も不要なほどお茶の間認知度を上げた3人が、かつて「苦手だった」テレビに思うこと。(全2回の2回目/#1から続く)
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「コントだけしていたい」なんて理想――その壁をぶち破ったきっかけ
――今たくさんの若手トリオが活躍されていますが、そこには少なからず03さんの影響があると思うんです。
飯塚 いやいやいや。
――少し前までは03さんがテレビで「ずっとコントだけしていたい」というと、「そんなのは理想だよ」っていう反応が一般的で。でもこうして「そんなの理想」と言われたことを、今03さんは実現されている。壁をぶち破るきっかけが何かあったんでしょうか。
飯塚 確かに角田さんがブレイクしましたよね。『半沢直樹』から。CM引っ張りだこですからね。
角田 確かに『半沢直樹』でブレイクしましたね。
――自分で言う(笑)。
飯塚 そうだよ。
角田 これはバブル来ましたねと。
いまだに芸能界の端っこにいさせてもらっているイメージ
飯塚 バブルは来ましたね。でも、ブレイクしたっていう自覚も、そんなふうに思ったこともないし。やっぱりいまだに芸能界の端っこにいさせてもらっているイメージなんですよ。ど真ん中にいるなんてね……いや、角田さんは真ん中にいるけど。
角田 いやいやいや(笑)。
豊本 ど真ん中で。ほんと真ん中にいますから。
角田 まあ今年はど真ん中のほうにちょっとね、寄せさせていただきましたけど。
飯塚 僕個人的には全然そうとは。そうやって言ってもらえるのはありがたいですけど。
――前回、劇団ひとりさんにインタビューさせていただいた時に、才能ある人が本当にいっぱいいる中で、ひとりさんは「自分は無作為に神様にチョイスされただけだった」んだと。なぜなら才能もあって面白いのになかなか出られない芸人はたくさんいて、ちょっと前まで東京03も「こんなにコントが面白いのになんで売れないんだ」という存在だったとお話しされていました。