飯塚 ……とりあえず今の話を劇団ひとりが言ったということに感動してる。
――おっしゃってました。
飯塚 そうですか。すごいうれしいですね。とりあえず、この後、劇団ひとりに会うのが照れ臭い(笑)。
角田 いやありがたいよね。
飯塚 でも、われわれは不器用なだけなんですよ。貫くとかそんなかっこいいものじゃなくて、それしかできなくて。もっと本当はテレビの方々の意向に沿った立ち振る舞いをしなきゃいけないんだけど、それができなかったから、それはちょっとごめんなさいということで、こっちの自分たちの好きなことだけやったっていう。どっちかと言ったら逃げなんですよ、僕の中では。
――テレビからの「逃げ」ですか。
東京03を結成した時、「本当はやめるつもりだった」
飯塚 だってこの世界に入るまでは、漠然とだけど、テレビで冠番組持って、そこでコントをやるっていうのを目標にするじゃないですか。ただそこに至るまでのプロセスとして必要な、ひな壇とかそういうのができないから、そこはもうあきらめてこっちをやったというイメージなので。美化して言ってもらえるのはありがたいんですけど、そんなつもりはないんです。たまたまこっちに逃げてきたら、こっちに光がちょこっと当たったっていうだけなんですよね。東京03結成した時って、本当はやめるつもりだったんですよ。
――そうだったんですか。
飯塚 ここ2人(豊本・飯塚)でやってても全然うまくいかなくて、で、角ちゃんもうまくいってなかったから、じゃあ3人でやって、うまくいかなかったらもうやめようっていう感じでした。だから、別に何かに迎合するのもバカバカしいっていう気もあったし。
――特に失うものもなかった。
飯塚 ほんとそう。だったら苦手なことをやるのはやめようと。ちょっと努力はしましたよ、一応ね。
角田 しましたよ。いろいろしましたよ。
飯塚 アイディア出し合ってみたりしたよね。もうちょっと平場で、どうやったら活躍できるかなとか。
角田 キャラクターを付けたほうがいいのかなとか。
飯塚 でも、早々にあきらめた。コントやってる時の方が楽しいから、じゃあコント頑張ろうっていうだけの話です。短めのコントもできないから、ショートネタブームの波にも乗れず(笑)。
角田 そこからずっと飯塚さんはブレずにね、僕らがブレそうになっても戻してくれるっていうのをずっとやってくれてましたからね。つらかったですけどね、ショートネタブームの時。